増刊号 診断基準とその使い方
IX.腎・尿路
18.Alport症候群
赤司 俊二
1
1埼玉県立小児医療センター・腎臓科
pp.2160
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222037
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■診断基準(表)
■疾患概念と疫学
本症は無症候性血尿ないし蛋白尿で発症し,同一家系内に進行性腎炎(腎不全),神経性難聴の患者が存在するもので,男性での予後が不良である.本症の病因としては糸球体基底膜構成成分の遺伝的な異常が指摘され,本症の基底膜にはGood-pasture症候群でみられる抗基底膜抗体を生じる抗原が認められないとされている.遺伝形式は一般的には常染色体優性遺伝であるが,常染色体劣性遺伝,伴性優性遺伝の報告もある.
本症は比較的稀な疾患であると考えられていたが,集団検尿の普及で無症候性の尿異常者の検討が進むにつれ,その発見率は高まっている.
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