症例 全身性疾患と腎・5
Alport症候群と腎
木下 康民
1
1新大内科
pp.78-81
発行日 1969年1月10日
Published Date 1969/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202521
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Alport症候群の臨床症状
Alport症候群はHereditary nephritis with nerve deafness,Familiäre idiopathische Haematurie mit Schwerhörigkeitともいわれる.何代にもわたって同一家系内に起こる遺伝性の腎疾患で,しばしば神経性難聴と,ときに眼の水晶体の先天性異常を伴うことを特徴としている.
本症は多くの場合,最初は幼児期または思春期に発見される.本疾患は妊娠とか,また感染症によって症状が発現ないし悪化するが,Rampini1)によるとウイルス感染によって病状が進行する.一般に症状は男性に現われ,経過は重篤で,40歳くらいまでに尿毒症で死亡する.女性では進行が緩慢で,生涯を通じて潜在性にとどまる例も少なくない.
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