増刊号 診断基準とその使い方
IX.腎・尿路
19.家族性良性血尿症
赤司 俊二
1
1埼玉県立小児医療センター・腎臓科
pp.2161
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222038
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■診断基準(表)
■疾患概念と疫学
1966年McConville1)らは,家族検尿にて血尿の認められるものが存在するにもかかわらず,家族歴に進行性腎炎が認められず,本人の腎機能もまったく正常である疾患の存在を指摘し,Alport症候群と区別され,家族性良性血尿性の存在が確立された.1973年Roger2)らが,本症は糸球体基底膜の広範な菲薄化が特徴的所見であることを指摘し,thin membrane diseaseとも呼ばれている.遺伝形式は常染色体優性遺伝とされ,その頻度は高く,集団検尿で発見される顕微鏡的血尿症の10〜30%にみられる.
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