講座 肺癌診療・5
肺癌の病理—特に診断上の問題点について
森永 正二郎
1
,
野口 雅之
2
,
江口 研二
3
1東京都済生会中央病院・病理科
2国立がんセンター研究所・病理部
3国立がんセンター病院・内科
pp.1624-1636
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221850
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肺は多種類の細胞からなる臓器であり,そこから発生する腫瘍もまたきわめて多彩な像を呈する.現在よく用いられている日本の肺癌取り扱い規約1)とWHO2)の肺癌病理組織分類を表1に示した.この組織分類にみられる各項目の腫瘍は,単に組織形態が異なるだけでなく,発生頻度,好発年齢,性別,発生部位,進展様式,化学療法や放射線治療に対する感受性,予後などが,それぞれ異なっている.したがって,肺癌患者に接する臨床医にとっても,肺癌の病理像の基礎知識は不可欠なものと思われる.
本稿では,実際的な病理診断の問題点に主眼を置き,代表的な肺癌について解説を試みた.
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