Japanese
English
論説
肺癌の診断および治療における問題点
Diagnosis and Treatment of the Pulmonary Carcinoma
卜部 美代志
1
,
水上 哲次
1
,
瀬川 安雄
1
,
山本 恵一
1
,
綱村 史郎
1
,
宮崎 誠示
1
,
渡辺 憙市
1
Miyoshi URABE
1
,
Tetsuji MIZUKAMI
1
,
Keichi YAMAMOTO
1
,
Shiro TSUNAMURA
1
,
Seiji MIYAZAKI
1
,
Kiichi WATANABE
1
1金沢大学医学部第一外科教室
1Department of Surgery, School of Medicine, University of Kanazawa
pp.455-472
発行日 1963年4月20日
Published Date 1963/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203059
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緒言
癌治療の中心をなすものは,今日外科剔除術であることは一般のみとめるところである.肺癌の切除療法も,技術的には一応解決されている現状であるが,その切除率および手術成績は他臓器の癌にくらべて,なおかなりの遜色を示すと云わねばならない.私共の外科で最近8年間にとり扱つた肺癌の症例は125例で,その中根治手術が行われたもの61例(48%)であり,同時期に行われた胃癌等の切除率にくらべてかなり低率である(第1表).
この問題は勿論早期発見,早期手術によつてある程度解決され得る性質のものであることは云うまでもない.そこで主として私共の経験に基き,肺癌の早期診断および治療成績向上策の両面において,それぞれの問題点について検討を加えたい.
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