Japanese
English
Current Opinion
肺癌の診断CT検診の問題点とその展望
Current Status of Spiral CT Screening for Early Lung Cancer
江口 研二
1
Kenji Eguchi
1
1国立病院四国がんセンター
1National Shikoku Cancer Hospital
pp.381-384
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902274
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肺癌の診断をめぐる最近1年間の話題—肺癌検診をめぐって
本邦では,主要疾患の総患者数順位で癌は,心臓病・脳卒中などに次いで第5位であるが,死亡総数に占める死亡原因の割合でいうと,癌が約3割強を占め第1位となっている.なかでも肺癌による死者は年間5万人以上にのぼつており,各種の癌による死因の中で男性では第1位,女性でも胃癌,大腸癌にに次いで3位となっている1).今後も,老齢人口の急増とともにこの死亡者の数字は増加傾向と予測されている.禁煙対策以外に肺癌の一次予防の方法がない現状では,二次予防として「治りうる肺癌を発見するのにはどのようにすればよいのか?」が緊急の課題になっている.
欧米では,1970年代後半から大規模に行われた胸部写真・喀痰細胞診を使用した大規模無作為化比較試験の結果から,公費による肺癌検診は全く行われていなかった2〜4).日本では,厚生省の指導のもとに,老健法に基づいて,40歳以上の男女に年1回の胸部写真と高危険群に対する喀痰細胞診(半年以内に血痰,50歳以上で喫煙指数=1日の本数×年数600以上)を対象とした肺癌検診が全国で行われていた.この肺癌検診の意義に関しても社会的に疑問が投げかけられた.
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