Japanese
English
論説
胸腺腫瘍の診断,治療上の問題点
The problems entercountered on diagnosis and therapy or thymoma
片岡 一朗
1
,
林 保
1
,
三樹 勝
2
,
寺岡 資郎
2
,
矢島 権八
3
,
沖野 光彦
3
Ichiro KATAOKA
1
1日本医科大学第2外科教室
2日本医科大学第1外科教室
3日本医科大学病理学教室
pp.125-133
発行日 1973年1月20日
Published Date 1973/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205739
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はじめに
胸腺については,その機能的意義について長く不明の点が多かつたが,移植免疫や組織免疫などの分野からの研究と相俟つて,胸腺異常と各種疾患との関連の解明が行なわれつつある.
従来,胸腺が臨床的に問題とされた主な点は胸腺リンパ体質と胸腺腫についてである.前者については既に副腎皮質不全との関連から否定的であるが,後者,すなわち胸腺腫については,悪性度の高率なこと,ことにその病理の複雑性により分類方法にも統一性を欠き,病理組織学的所見と臨床経過が必ずしも平行でないこと,などから日常の診断治療上からも,縦隔腫瘍の1つとして忘れることのできない疾患である.
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