Japanese
English
特集 膵癌と膵頭十二指腸切除術
膵癌診断上の問題点
Current problems in the diagnosis of pancreatic carcinoma
有山 襄
1
,
池延 東男
1
,
炭田 正孝
1
,
白田 一誠
1
,
島口 晴耕
1
,
三隅 一彦
1
,
禿 陽一
1
,
白壁 彦夫
1
Joe ARIYAMA
1
1順天堂大学消化器内科
pp.463-470
発行日 1980年4月20日
Published Date 1980/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207410
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はじめに
検査法の進歩によつて,膵癌の診断は容易になつた.ERCP,PTC,超音波検査,CT,血管造影などの各種検査法を施行すれば膵癌の存在診断および腫瘍の大きさ,浸潤範囲,切除可否の決定などの質的診断が手術前に可能である.しかし,膵癌に特異的な血清免疫学的なスクリーニングテストがないこと,患者の症状が非特異的であることから膵癌の早期発見,とくに小さな膵体尾部癌の診断は困難であるのが実情である.
われわれはERCPと血管造影を組み合わせることによつて,小さな膵癌が診断可能であることを報告してきた1,2).また,膵癌の病理組織所見を詳しく検討して検査所見と対比した3,4).われわれが診断した切除可能膵癌の症例を中心に,現在の診断の問題点を病理組織所見と対比して述べ,予後のよい膵癌の診断と治療について考察する.
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