増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅴ 消化器疾患治療薬
非特異性腸炎とその他の腸管潰瘍
136.特発性小腸潰瘍,腸管ベーチェット病の薬物治療・栄養法
千葉 満郎
1
,
正宗 研
1
1秋田大学医学部・第1内科
pp.2084-2085
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221256
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特発性小腸潰瘍や腸管ベーチェット病は,欧米に圧倒的に多い大腸癌,潰瘍性大腸炎,クローン病,大腸憩室などの腸疾患と対照的に,本邦に多く発生する.しかし,必ずしも日常の臨床でしばしば経験する疾患ではない.
ところで,両疾患とも手術例の報告が多く,サラゾピリン,ステロイド剤などの薬物の効果が不確実なこともあって,確立された薬物療法は現在のところみあたらない.一方,クローン病で奏効する栄養療法が両疾患に対しても最近試みられ,有効例や経過観察可能例が報告されつつある.今後,両疾患の病態の一層の解明に伴い,両疾患に対する薬物・栄養療法が確立されていくものと思われる.
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