特集 炎症性腸疾患と類縁疾患
2.腸管ベーチェット病
西田 大恭
1
1聖隷浜松病院小児科
pp.640-645
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003075
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腸管ベーチェット病は,ベーチェット病に定型的な腸管病変を合併した難治性慢性炎症性疾患である.腸管ベーチェット病の腸管病変は,回盲部の円形または類円形の打ち抜き潰瘍が特徴であり,ときに消化管穿孔や大量下血をきたす.小児例では,ベーチェット病としての主症状が出現しにくいため,診断は臨床症状,経過,内視鏡所見などを参考に総合的に判断する必要がある.また除外診断も重要であり,腸管病変が類似する鑑別疾患の特徴も熟知しておく必要がある.治療は成人例に準じて,5–アミノサリチル酸製剤,免疫調節薬,副腎皮質ステロイド薬,抗TNFα抗体製剤などが投与されるが,再発例,難治例も存在する.
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.