日本人の病気
食中毒
辺野喜 正夫
1
1東京都立衛生研究所
pp.1218-1219
発行日 1971年7月10日
Published Date 1971/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203765
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食中毒とその分類
食中毒の定義は国によって違うが,わが国では食品衛生法の定めるところによっておおむね次のように広く解釈して処理されている.すなわち,食品のほか,保存・着色・漂白・調味などの目的で食品に加えられる化学物質および食品に関係のある器具や容器包装などによって経口的に起こる急激な衛生上の障害のうち,伝染病,寄生虫症,栄養障害,異物,外筋などを除いたものをいう.
食中毒は表1のように原因別に,細菌性食中毒,化学性食中毒および自然毒食中毒に分類することができる.細菌性食中毒には,食品とともに摂取した細菌が体内で増殖し,または食品内で著しく増殖した細菌が直接腸管に作用しておこる感染型と,細菌が食品内で増殖する際に生じた毒索でおこる毒素型がある.この中には,特殊なタイプとして,主にモルガン菌の作り出す腐敗産物ヒスタミンの蓄積した食品を摂取しておこるアレルギー様食中毒も含まれる.
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