今月の主題 内科医に必要な救急治療
おもな救急疾患とその治療
食中毒
山本 保博
1
1日本医科大学・救命救急センター
pp.866-867
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220960
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食物に付着し増殖した細菌により,あるいは細菌の産生毒素を食物とともに摂取することで発症する急性胃腸炎や麻痺性神経疾患をいう.飲食店,学校,事業所などで集団発生し,年間3〜4万人前後とされている.また輸入感染症として腸炎ビブリオも増加傾向にある.診断は発熱,嘔吐,腹痛,下痢で発症するが,小児では脱水を合併しやすく重篤になりやすい1).治療方針は絶食とし,回復とともに流動食から開始する.脱水・電解質異常に対しては十分な水分・電解質量を点摘静注する.下痢が激しいときは注意する.抗生物質投与は起因菌の分離同定を待って行うことが望ましい.
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