ベクトル心電図入門・1
ベクトル心電図のなりたち
戸嶋 裕徳
1
1久大木村内科
pp.1214-1215
発行日 1971年7月10日
Published Date 1971/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203763
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ベクトル心電図とは
心電図が心臓の興奮に伴う体表面の2点間の電位変化を記録したものであるのに対し,ベクトル心電図は2組の2点間の電位変化をそれぞれ直交する形で同時に記録したものである.従って装置としては,ブラウン管によるか,あるいはXYrecorderのように左右,上下の変化を同時に記録できるものが用いられることになる(図1).
このようにして得られたものは,結局は2組の心電図を組み合わせたものにすぎないことになるが,ベクトル心電図の利点の1つは心臓の電気的変化を空間的にひろがりを持った図形化することで,その形なり回転方向なり,心電図から得ることの困難な情報を容易に判別できることにある.
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