日本看護診断学会・第30回学術大会報告 【シンポジウム・1】
計画的に看護を実践するアプローチとしての看護過程
伊東 美佐江
1
Misae Ito
1
1山口大学大学院医学系研究科
1Yamaguchi University Graduate School of Medicine
pp.46-49
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134130070300010046
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I. はじめに
2040年に向けた高等教育のグランドデザインに示される人材像は,予測不可能な時代を生きる人,自ら考え判断して,社会を変革する力が求められている.看護基礎教育でも,少子高齢化,多死社会,Society 5.0の進展に伴い,急性期病院での入院期間の短縮などいろいろな課題に対して,地域包括ケアシステムの構築,チーム医療の推進,さらなる医療安全等,社会の変化に対応する看護師として必要となる能力を備えた質の高い人材養成が求められていることは言うまでもない.そして,今までの何を教えるかという視点から学生が何を学んだかという視点の変革が求められ,日々取り組まれておられると思う.看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーについて,根拠に基づき看護を計画的に実践する能力として,課題に対する論理的アプローチに看護過程の教育内容が例示されている.
日本看護診断学会は,看護実践における診断,介入,成果の看護過程の一連のプロセスを通して,看護実践の進歩向上を目指して,社会に貢献することを目的としている.看護診断には人間の反応が表され,看護学の専門用語として表現される.それは単に人間の反応をラベル化することではなく,看護過程のプロセスにある.社会の変化に対応するために,看護をする上で不可欠な知識,看護概念を理解するために,看護学基礎教育課程における看護過程の教授を考え続ける必要がある.
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