連載 看護を支えるもう1つの“知” 現象学と状況論的認知・6
看護における現象学的アプローチとは
行岡 哲男
1
1杏林大学救急医学
pp.1148-1152
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905487
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看護学には現象学的ないしは解釈学的アプローチ(以後,現象学的アプローチとのみ表記します)といわれる研究方法があります.精神医学には現象学的発想により心の病を理解しようとする分野がありますが,研究方法そのものに現象学の応用を試みたのは,医療にかかわる諸学のなかでは看護学が最初だと思います.その独創と慧眼に心から敬意を表したいと思います.
では,現象学的発想に基づく研究方法とはいったいどのようなものなのでしょうか.そして,このアプローチの要諦はどこにあるのでしょうか.このことを最後の2回で考えてみたいと思います.そして,看護学で語られる現象学的アプローチの傍にある(と私が思っている)落とし穴(陥穽)についても考えてみたいと思います.
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