Japanese
English
研究報告
看護過程導入時の状況にみる「看護記録」の意義—看護教育者の語りのSCATを用いた分析
The Significance of “Nursing Records” in the Context of the Introduction of the Nursing Process: Analysis of the Narratives of Nursing Educators Using SCAT
江頭 典江
1
Fumie Egasira
1
1京都先端科学大学健康医療学部看護学科
1Kyoto University of Advanced Science, Faculty of Health and Medical Sciences
キーワード:
看護過程
,
専門職
,
看護記録
,
役割
,
SCAT
Keyword:
看護過程
,
専門職
,
看護記録
,
役割
,
SCAT
pp.9-17
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134130070300010009
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看護記録は,チーム医療における情報共有や看護実践の評価,研究の資料として重要とされる.看護記録は,看護実践の一連の過程(看護過程)として看護職の思考や行為を示すものだが,看護過程の日本への導入に貢献した人々は,看護記録をどう捉えていたのであろうか.本論では,看護記録の意義を再検討することを目的として,1980年代に看護過程の導入に貢献した2名の看護教育者の語りを2つのアプローチから分析した.その結果,社会と個人の観点から,看護職の役割を示すものとして看護記録を捉えていることがわかった.看護記録は,看護職が法的に規定された業務を行い,組織が報酬を得る証となり,その役割を社会に示す意義がある.また,一貫した記録システムで,看護職は他者と交渉可能な専門職であると,看護職自身にその役割を示す意義があることが示された.
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