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編集後記
竹内 さをり
pp.324
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590030324
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「人生100年時代の到来」をテーマとした講義を聴く機会を得た.2024年の100歳高齢者表彰の対象者は4万7,888人で,前年より781人増加した.また同年9月15日現在の100歳以上人口は9万5,119人で,前年より約3,000人増えており,昭和生まれが100歳になる2026年にはさらに増えることが予測できる.老人福祉法が制定された1963年の100歳以上人口は153人であったが,介護保険制度が始まった2000年で1万3,036人となり,現在の人数にまで増えたとのことであった.2040年に向けた高齢化率の上昇,生産年齢人口の減少といった人口動態については,少なからず理解していたつもりであったが,100歳以上人口の増え方に驚きを感じ,日本人は長生きできるようになったことをあらためて認識した.
さて,この人生100年時代を,私たち作業療法士はどのように捉え,どのように役立っていけばよいのであろうか.今回の特集は,まさにそのヒントになったと思う.かかわる地域に住むさまざまな対象者に対して,作業療法士のアセスメント力や活動・参加に対する支援力がどのように活かせるのか,実践を通した内容を伝えていただき,果たせる役割を示していただけたと感じている.行政に務める作業療法士はまだまだ少ないが,少ない中でも他職種と協力しながら,もてる力を発揮する術をもお教えいただけた.私も過去に行政で働いていたが,「高齢になっても安心して豊かに暮らせる地域」を実現するために,私たちに何ができるだろうかと仲間と検討を重ねていたことが思い出された.

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