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あとがき
涌井 昌俊
pp.744
発行日 2026年6月15日
Published Date 2026/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700060744
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この『あとがき』を書いている3月は卒業の季節ですが,一度かかるとなかなか卒業できない花粉症の季節でもあります.還暦をすでに1年越えた筆者は幸いなことにまだ経験がありません.しかし,中高年で発症する患者さんも少なくなく,油断はできません.日本人の約半数を占めるこの国民病,仕事や勉学のパフォーマンスの低下を招き社会全体で約2320億円/日の経済的損失が生じる試算もあります.
37年ほどの医師生活のなかで,厄介者であるはずの花粉症の時期になぜかダイエットや糖尿病治療がうまくいっているように見受けられた症例を,数例ですが経験しました.いずれの患者さんも体重計で減量を確認できており,ヘモグロビンA1cの改善も明らかでした.その機序を考察するうえで興味深かったのは,全員が花粉症の治療薬の基本であるヒスタミンH1受容体拮抗薬に加えて,ロイコトリエン受容体拮抗薬も服用していたことです.それに気づいたとき,一見肥満や糖尿病に結び付かないこの薬剤が新たなドラッグポジショニングの候補になるかもしれないという妄想を抱くようになりました.

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