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あとがき
涌井 昌俊
pp.832
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202424
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本誌の「あとがき」は,当該号の発行される時季を意識して書かれることが多く,それに倣って,東京オリンピック・パラリンピックにちなんだ雑感を,と筆を進めるはずでした.しかし,正月には誰も予想していなかった,新型コロナウイルス,SARS-CoV-2による未曾有の人類の危機です.今回は,緊急事態宣言下で書かせていただく「あとがき」となります.
COVID-19と名付けられた新興感染症の拡大が本格化し,この執筆の時点で都内の主要医療機関の外来は閉鎖され,新入院も停止,手術も延期となっています.COVID-19症例の受け入れに専念せざるを得ない状況です.市中の院内感染クラスターも続発しています.当初は中国だけの特異な流行と目されたウイルス感染は,欧州,そして東京との類似点が多いニューヨークで壮絶な医療崩壊をもたらしています.翻って,わが国もそれらの地域と同じく人工呼吸器などの集中治療インフラだけではなく,普段なら全く誰も心配しない医療用個人防護具の供給も枯渇し始めています.
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