臨床雑誌内科 93巻4号 (2004年4月)

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39歳女.口喝・頻尿・全身倦怠感が出現した.抗GAD抗体陽性で,急激な発症と合わせ,1型糖尿病と診断した.甲状腺機能はeuthyroidであったが,マイクロゾームテストおよびサイロイドテストが陽性で,慢性甲状腺炎と診断した.血糖コントロールのために,neutral insulinおよびvogliboseを開始した.貧血に対して,sodium ferrous citrateを投与した.全身倦怠感を訴え,眼球黄染がみられたため,2回目の入院となった.薬剤性肝炎を疑い,薬剤リンパ球刺激試験を行ったが,いずれの薬剤も陰性であった.使用薬剤はすべて中止し,ステロイド薬を使用した.血漿交換(PE)を開始したが,意識障害が出現したため,劇症肝炎急性型と診断した.PEと持続的血液濾過透析を行い,意識清明で食事摂取可能な状態を約4ヵ月継続できたが,敗血症を併発し,死亡した

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37歳女.次女と長女が伝染性紅斑に罹患した.高熱と全身倦怠感を伴う感冒様症状,および四肢の発疹が出現した.伝染性紅斑と診断され,さらに顕微鏡的血尿を指摘された.下腿浮腫と全身倦怠感が増強したため,入院した.呼吸器感染様症状後,急激に発症した両側下腿浮腫,乏尿,血尿,タンパク尿,腎機能低下,低補体血症があり,腎生検で光顕所見上,管内増殖性糸球体腎炎,蛍光抗体法でIgGおよび補体の沈着を認めた.電顕所見上,糸球体基底膜内皮下にEDDの沈着がみられたことにより,急性糸球体腎炎と診断した.ウイルスに関する検索で,パルボウイルスによる急性糸球体腎炎と確定診断した.タンパク制限,塩分制限の食事療法と,安静を主とした治療を行った.3週間後に退院した

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30歳女.発熱,全身倦怠感が出現し,抗生物質で軽快しなかった.胸部X線像上,異常陰影が認められたため,入院となった.当初は血液培養の結果でノカルジアを疑い,ST合剤を処方したが,薬疹が出たためいったん中止とした.その後,minocyclineやlevofloxacinなどの抗生物質に変更したが,発熱など症状の改善を認めず,imipenem/cilastatinに変更した.変更後2日目より解熱し,以後発熱は呈しなかった.また,炎症反応も改善した.経食道的超音波所見の比較では,治療前に認められた心室中隔欠損孔付近の疣贅は3週間後には消失した.血液培養などにより,Rothia dentocariosaと診断した

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27歳女.20歳のとき,繰り返す失神発作のため脳波を記録中,心電図にQT時間延長と心室頻拍を認め,家族歴もあることから先天性QT延長症候群と診断された.propranololで失神発作を認めなかったが,第一子出産後,再び失神発作を繰り返すため受診した.入院後数回torsades de pointes(Tdp)を起こし,一致して失神したが,いずれも1分以内に自然停止した.metoprolol,lidocaine,mexiletineおよびnicorandilを併用したが,QT時間に変化はなくTdpの再発を認めた.Tdpは,睡眠中に心電図モニターや輸液ポンプの警報音や自動血圧計のカフ圧をきっかけとして誘発されたため,音刺激を極力減らし,十分睡眠がとれるように配慮し,β遮断薬をpropranololに変更した.その後,植込み型除細動器を施行し,現在までTdpは再発していない.また,遺伝子異常は特定されなかった

基本情報

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臨床雑誌内科
93巻4号 (2004年4月)
電子版ISSN:2432-9452 印刷版ISSN:0022-1961 南江堂

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