膠原病診療のブレークスルー 早期診断・早期治療のポイント
膠原病の難治性病態の早期診断・早期治療のこつ SLEの肺胞出血
湯川 尚一郎
1
,
三森 経世
1京都大学 大学院医学研究科臨床免疫学
キーワード:
Cyclophosphamide
,
Steroids
,
胸部X線診断
,
抗炎症剤
,
エリテマトーデス-全身性
,
死亡率
,
静脈内投与
,
肺出血
,
早期診断
,
二重濾過血漿交換
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents
,
Cyclophosphamide
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Mortality
,
Steroids
,
Radiography, Thoracic
,
Early Diagnosis
,
Administration, Intravenous
pp.709-713
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008167397
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
全身性エリテマトーデス(SLE)のびまん性肺胞出血は、SLEにおける致死的合併症の一つであり、その症例数の少なさと致命率の高さゆえ、エビデンスレベルの高い治療法は確立されていない。SLEの活動期に発症し、三大徴候は喀血・血痰、急速に進行する貧血、および胸部X線上びまん性陰影であり、状況が許せば確定診断および感染症除外のために、気管支鏡を施行すべきである。全3症例の救命に成功している当教室での治療方針、ならびに、文献レビューの結果からは、ステロイド大量療法に加えて免疫抑制薬(とくにcyclophosphamide間歇静注療法)と血漿交換療法(とくに二重膜濾過血漿交換)の併用療法が、生命予後を改善する可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008