特集 緊急対応を要する循環器疾患
救急対応を要する代表的な循環器疾患の診断と治療
高血圧緊急症
田辺 晶代
1
,
橋本 真紀子
1
1国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科
キーワード:
高血圧緊急症
,
心血管系臓器障害
,
高血圧切迫症
Keyword:
高血圧緊急症
,
心血管系臓器障害
,
高血圧切迫症
pp.397-401
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_397
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Summary
▪高血圧緊急症は血圧が著しく高いだけではなく,著しい高血圧により心血管系臓器に急性な臓器障害が生じ進行している病態である.放置すれば不可逆的な臓器障害のため致命的であることから,ただちに降圧治療が必要である.
▪患者を集中治療室で循環動態のモニタリング下で管理し,経静脈血圧降圧薬を選択する必要がある.ただし,血圧の急激な低下に起因する臓器虚血を回避するために,推奨される降圧目的は,初めの1時間以内には平均血圧25%未満の低下,次の2時間で160/100~110mmHgを目標とする.
▪高血圧緊急症の多くは180/120mmHg以上で発症するが,臓器障害の急速な進行を伴わない場合は高血圧切迫症として経口血圧降下薬で対処可能である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022