発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004256025
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27歳女.20歳のとき,繰り返す失神発作のため脳波を記録中,心電図にQT時間延長と心室頻拍を認め,家族歴もあることから先天性QT延長症候群と診断された.propranololで失神発作を認めなかったが,第一子出産後,再び失神発作を繰り返すため受診した.入院後数回torsades de pointes(Tdp)を起こし,一致して失神したが,いずれも1分以内に自然停止した.metoprolol,lidocaine,mexiletineおよびnicorandilを併用したが,QT時間に変化はなくTdpの再発を認めた.Tdpは,睡眠中に心電図モニターや輸液ポンプの警報音や自動血圧計のカフ圧をきっかけとして誘発されたため,音刺激を極力減らし,十分睡眠がとれるように配慮し,β遮断薬をpropranololに変更した.その後,植込み型除細動器を施行し,現在までTdpは再発していない.また,遺伝子異常は特定されなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2004