発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004256022
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39歳女.口喝・頻尿・全身倦怠感が出現した.抗GAD抗体陽性で,急激な発症と合わせ,1型糖尿病と診断した.甲状腺機能はeuthyroidであったが,マイクロゾームテストおよびサイロイドテストが陽性で,慢性甲状腺炎と診断した.血糖コントロールのために,neutral insulinおよびvogliboseを開始した.貧血に対して,sodium ferrous citrateを投与した.全身倦怠感を訴え,眼球黄染がみられたため,2回目の入院となった.薬剤性肝炎を疑い,薬剤リンパ球刺激試験を行ったが,いずれの薬剤も陰性であった.使用薬剤はすべて中止し,ステロイド薬を使用した.血漿交換(PE)を開始したが,意識障害が出現したため,劇症肝炎急性型と診断した.PEと持続的血液濾過透析を行い,意識清明で食事摂取可能な状態を約4ヵ月継続できたが,敗血症を併発し,死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2004