臨床皮膚泌尿器科 15巻2号 (1961年2月)

皮膚科図譜・117

プリングル病 中条 一 , 柴崎 寛
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〔患者〕20歳 女子

 6歳頃,顔面に紅色丘疹が発生し,その後は徐々に,更に13歳頃からは稍々急速に数を増して,現在に至つた。初診時には第1図の如く,米粒大乃至豌豆大類円形丘疹が半球状,或いは扁平こ隆起し褐赤色を呈し表面は平滑で稍々硬い。軽い掻痒を訴える。

皮膚科図譜・118

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〔患者〕78歳男子

 現病歴 20歳頃より,酒及び煙草はかかした事がなく,最近でも酒1合と煙草10本位をたしなんでいる。若い頃より鼻の頭が赤く,油性で絶えず光沢を帯びていたが,10数年前より徐々に同部が膨隆し始め,一見『呑気な父さん』の鼻の様になつて来た。

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I.緒言

 所謂特発性腎出血の原因論に関しては古来,多数の研究があり枚挙にいとまがないが,最近線維素溶解酵素系(Fibrinolysin,Plasmin)の病態生理が各方面から追求され,原因不明の出血機序の解明に本問題が重要視されるに至つた。我々は毛細管反応を惹起する因子としての線維素溶解酵素系に注目して,臨牀的に特発性腎出血患者の血漿ブラスミン値を測定し併せて抗プラスミン療法を施行して可成りの好成績を収めた。泌尿器科領域に於ては未だこの方面の研究は少なく前立腺癌患者に本酵素系の亢進を示す事が報告されているにすぎない。著者等も前立腺癌患者並びにTUR施行後に可成り高率に本酵素系の亢進を認めたが今回は特発性腎出血の臨牀的事項を中心に簡単ながら実験成績を加えて報告する事とする。

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I.緒言

 睾丸被膜に原発する腫瘍は1886年Parkの脂肪腫の記載にはじまるが,その頻度は少く稀有な疾患に属する。吾々は右睾丸腫瘍の診断のもとに手術を行い,病理組織学的検査の結果右睾丸被膜肉腫であつた症例を経験したので報告する。

睾丸梗塞症症例 水本 龍助 , 河西 理
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I.緒言

 睾丸回転によらざる睾丸梗塞症は比較的稀である。最近,我々は本症の1例を経験したので報告する。

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I.緒言

 我々が日常経験する男子生殖器結核はその大部分が副睾丸結核で,精索に原発性に発生する所謂精索結核は比較的稀である。

 最近我々は本症と思われる1例を経験したので報告する。

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I.緒言

 本邦に於ける女子尿道憩室の報告は最近その数をましてはいるが,尚40余例を数えるのみで稀な疾患とされている。我々も引続き2例を経験したので症例を追加し,2,3の知見を述べる。

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I.緒言

 腎に発生する良性腫瘍の大部分は臨床症状を示すことなく,病理解剖に際して小結節として発見されるものである。われわれは最近出血ショックを伴つた巨大な良性腎腫瘍の1例を経験したのでその症例を報告し,多少の文献的考察を行う。

尿道口唇部嚢腫の1例 森山 浩
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I.緒言

 性器会陰部縫線の融合不全の結果生じた先天的な嚢腫形成及び管腔形成に就いては,内外共に報告があるが,その報告例は至つて少ない。我々も尿道口唇部に生じた嚢腫の1例を見出したのでここに報告する。

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I.緒言

 近年の治療界に於て果した各種抗生物質の役割は極めて大なるものがある。しかしそれ等の使用にともなつて発生しつつある起炎菌の薬剤耐性や,菌交代現象その他薬剤アレルギーの問題が慎重に検討されている現状である。

 一方,従来の各種Sulfa剤は総じてその使用量が比較的多量にのぼると共に,非溶解性塩類の尿中析出の関係から,胃腸障害,結石,無尿などの副作用を生ずることが稀でなかつた。

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I.緒言

 顔面神経麻痺と同時に顔面腫脹を来す例のあることは既に古くから知られていた(Frankl-Ho-chwart 18911),Hübschman18942),Rossolimo19013))。1923年Melkersson4)はこの両症候の関連性に注目し,更に1931年Rosenthal5)はかかる例に屡々皺襞舌を見ることから,顔面腫脹,顔面神経麻痺おひび皺襞舌を統括してMelkersson症候群と名付けた。尚,本症候群はLüscher6)以後Melkersson-Rosenthal症候群と称せられている。一方Miescher7)は口唇の腫脹を主徴とする6例の組織学的検索を行ない,それらに類上皮細胞の浸潤を主体とする類肉腫様または結核結節様変化を見出し,これを一独立疾患とみなしてCheilitis granulomatosaと名付けた。以後これら両症の異同に関して種々の議論があり,一定の見解に達していない。私は最近本症候群に属すると思われる2例を経験したので報告する。

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I.緒言

 多発性毛嚢嚢腫症は我が国では1922年に駒屋が第1例を報告して以来,橋本,向井,皆見,飯沢等から既に60数例の報告がある。

 我々は最近当科外来において病理組織学的に本疾患と診断し得た1症例を経験したので我々の集計した本邦報告例41例の組織所見と比較検討して,茲に報告する。

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I.緒言

 横須賀地区に於ては米軍の立入り可能な飲食店は一定の規格が必要で之を許可された店をA級店と称している。この規格の一つに米軍の性病予防対策に協力すると云う条件がある。この協力の現われとしてA級店に勤務する従業員は毎月1回宛我々の診療所に於て自発的に性病の検診を行つて来たがその血清反応について統計学的観察を行つたので報告したい。

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I.緒言

 グロームス腫瘍は既に1812年Woodに依りpainful subcutaeous tubercleとして記載され,其の後Kollazeck(1878年)がAngiosarkom,Müller(1901年)がPerithelioma subunguale,又Gartenstein(1917年)がEndothelioma vasculareとして報告した疾患である。

 1924年に至り,Massonは本症がNeuromyoarterialglomusより生ずる所の腫瘍であるとして,これを病理組織学的に究明して本症を独立疾患とした。

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 周知の如く,抗ヒスタミン剤の薬学的進展により,諸種の抗ヒスタミン剤が臨床に使用されつつある。今回,興和新薬社より新しい抗ヒスタミン剤,Metron-Kowa及びMetron-Sの提供をうけ,これを2,3皮膚疾患に使用する機会を得た。この報告はこの新剤の効果についての予備的のものである。

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I.はじめに

 皮膚外用剤に配伍される薬の種類は多い。その目的により,止痒,鎮痛,消炎,殺菌,角質溶解,収斂,抗真菌剤,などの区別がある。ひとつの薬が,さまざまな効果を有することも多い。痒みを止めることは,皮膚病治療の根底をなしている。しかし,その痒みを起させる機転のすべてが,判明していない今日,止痒剤は,診療担当者の投与方法の選びかたや,嗜好によつて多様をきわめている。

 還元剤たるタールは,古くから,皮膚炎,湿疹に対して,軟膏,パスタに配伍され,ときに,根治力を示すことがあつた。しかし,痒みに対する作用は,間接的であつて,疾患の軽快するにしたがつて,皮疹の改善が,次ざに止痒を促すという,いわば,遅効的なうらみがあつた。一方,タール剤は殺菌作用を有しており,このため,二次的な細菌感染による病巣の汚れを清浄にし,ひいては痒みをなくする場合があることに注目された。

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I.緒言

 円形脱毛症はその発生頻度,またはその皮膚科外来を訪れる頻度が決して少ないものと言えず,むしろ比較的重要な疾患の1つとされているが,その発生機転については不明の点が多く,さらにその治療法に至つては大矢1)も述べているごとく実に多種多彩の方法が報告されており,結局現在のところ本症に対する適確有効な治療はないと言わざるをえない模様である。

 ちなみに本症の発生頻度を見ると,野北2)は本邦における統計を集めその大部分が皮膚科外来患者総数の3%ないし4%であると述べている。当北大皮膚科においても最近1年間,すなわち昭和34年10月より昭和35年9月までに外来を訪れた本症患者総教は第1表に示すごとく192名で総外来患者数の4.3%を占めている。その男女の比は132:60で男子は女子の2.2倍もの高値を示し,これは細井3)の昭和21年から昭和31年まで11カ年の統計とよく一致している。また年齢別では男子が21歳から25歳に,女子は16歳から20歳に最も多く発生しており,この男女間における最多発年齢の差異は,両者の生殖内分泌腺成熟期の差と平行しているもののごとくで,本症発生原因の1つとして内分泌平衡の失調が推測される。

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 日本泌尿器科学会第11回中部連合地方会は,昭和35年11月3日(文化の日)に大阪医大臨床講堂に於いて,会長石神教授のもとに午前9時より開会された。秋晴に恵まれ,会場は京阪の交通の便利な高槻市にて,早くより多数の出席者をみた。

 一般演説は関西医大教授新谷座長のもとに,阪大前川より始められ,腎血流遮断操作を伴う腎保存的手術後の残存腎部の急性腎不全防止の目的に,腎局所低温法の臨床的,実験的報告があり,続いて大阪警察巽はエチールウレタンの腎阻血性低酸素症は対する影響の実験的研究を報告した。国立松山林は泌尿生殖器系疾患についてポーラログラフ蛋白波の示す癌鑑別診断的価値を検討するために行つた濾液法の測定成績を述べた。愛媛労災宮崎は近年とみに関心のたかまつて来ている腎性高血圧についてラッテを用いた実験的研究を報告し,これについて阪大井上より質問があつた。日大水本は尿路腫瘍の細胞診にsquasch methodを用いた結果を述べ,京大後藤はオデルカ・ミラーカメラによる尿路の機能的X線診断法を報告した。京府医大井上は経腰的腎盂尿管撮影の臨床的価値を述べ,これについて三重大多田,名市大菅野より夫々追加があつた。大阪逓信倉岡は嚢胞腎の嚢胞内容の化学的組成を分析して,本疾患の病原論に言及した。これより座長は金大黒田教授に代り,京大酒徳は精系血管に関する病理組織学的観察を多数の材料についてなした結果を報告した。

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 日本皮膚科学会第11回中部連合地方会はさる11月3日大阪医大に於て,栗原会長司会の下に開催された。参会者約120名。招請講演として,田部教授(大阪医大)が島根県宍道湖畔の風土病である湖岸病に関する研究を報告された。急性症といわれるものは,田植作業の期間に好発し,水田に入ると生ずる掻痒性皮診で,組織学的には表皮内水疱を見るものであるが,これは椋鳥住血吸虫のセルカリアの表皮内穿入によるものであることを明かにされ,又この吸虫の宿生生物は全国に分布し,この急性症は単に島根県に限らず中国,近畿,東海,その他の農村にも発生するものであると述べられた。我々としてもこの種,病変を常に考慮しなければならないことを教えられた。又慢性症といわれるものは,手背の慢性皮膚炎であり,低栄養状態,特にビタミン欠乏症を素因として,水田作業時の皮膚障害により惹起されるものであり,ビタミン剤投与により軽快する。シビ,ガチャツキ,とは異る病像を呈するものであり,宍道湖畔固有の疾患であることを示された。

 特別講演として安原助教授は「汗腺の組織学細胞化学」と題し,約30種にのぼる染色法を馳使した多数の見事なスライドにより,詳細な所見を述べた。e腺腺細胞は不規則乍ら一層に配列することを先ず確認し,その内,明調細胞には従来明瞭に観察されなかつた細胞間及び細胞内分泌細管を明確に認め,明調,暗調細胞は分泌周期の異つた相を現わすものではなく,性格の異る細胞であることを示した。

基本情報

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臨床皮膚泌尿器科
15巻2号 (1961年2月)
電子版ISSN:2188-6164 印刷版ISSN:2188-6156 医学書院

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