Japanese
English
--------------------
コロラドシエールタール含有外用剤(メタシヤールローシヨンメタシヤール軟膏)の使用経験
SOME INVESTIGATIVE STUDIES ON THE USE OF COLORADO SHALE TAR IN DERMATOLOGICAL THERAPY
三浦 高
1
,
松坂 義孝
1
,
平山 多秋
1
T. MIURA
1
,
Y. MATSUSAKA
1
,
M. HIRAYAMA
1
1広島大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, Hiroshima University School of Medicine
pp.165-170
発行日 1961年2月1日
Published Date 1961/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202999
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
皮膚外用剤に配伍される薬の種類は多い。その目的により,止痒,鎮痛,消炎,殺菌,角質溶解,収斂,抗真菌剤,などの区別がある。ひとつの薬が,さまざまな効果を有することも多い。痒みを止めることは,皮膚病治療の根底をなしている。しかし,その痒みを起させる機転のすべてが,判明していない今日,止痒剤は,診療担当者の投与方法の選びかたや,嗜好によつて多様をきわめている。
還元剤たるタールは,古くから,皮膚炎,湿疹に対して,軟膏,パスタに配伍され,ときに,根治力を示すことがあつた。しかし,痒みに対する作用は,間接的であつて,疾患の軽快するにしたがつて,皮疹の改善が,次ざに止痒を促すという,いわば,遅効的なうらみがあつた。一方,タール剤は殺菌作用を有しており,このため,二次的な細菌感染による病巣の汚れを清浄にし,ひいては痒みをなくする場合があることに注目された。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.