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皮膚泌尿器科領域に於ける線維素溶解酵素の研究(第2報)—所謂特発性腎出血と線維素溶解酵素
DERMATO-UROLOGICAL STUDIES OF FIBRINOLYSIN, (PART.2), ESSENTIAL HEMATURIA AND FIBRINOLYSIN
籏野 倫
1
,
小川 正見
1
,
河野 南雄
1
,
山本 泰秀
1
H. HATANO
1
,
M. OGAWA
1
,
N. KONO
1
,
Y. YAMAMOTO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科,泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, School of Medicine, Keio University
pp.105-109
発行日 1961年2月1日
Published Date 1961/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202986
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I.緒言
所謂特発性腎出血の原因論に関しては古来,多数の研究があり枚挙にいとまがないが,最近線維素溶解酵素系(Fibrinolysin,Plasmin)の病態生理が各方面から追求され,原因不明の出血機序の解明に本問題が重要視されるに至つた。我々は毛細管反応を惹起する因子としての線維素溶解酵素系に注目して,臨牀的に特発性腎出血患者の血漿ブラスミン値を測定し併せて抗プラスミン療法を施行して可成りの好成績を収めた。泌尿器科領域に於ては未だこの方面の研究は少なく前立腺癌患者に本酵素系の亢進を示す事が報告されているにすぎない。著者等も前立腺癌患者並びにTUR施行後に可成り高率に本酵素系の亢進を認めたが今回は特発性腎出血の臨牀的事項を中心に簡単ながら実験成績を加えて報告する事とする。
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