Japanese
English
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グリチールリチン製剤による円形脱毛症の治療
TREATMENT OF ALOPECIA AREATA WITH GRYCYRRHIZINE
白取 昭
1
,
横田 一郎
1
,
大浦 武彦
1
Akira SHIRATORI
1
,
Ichiro YOKOTA
1
,
Takehiko OURA
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Hokkaido University
pp.170-173
発行日 1961年2月1日
Published Date 1961/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203000
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I.緒言
円形脱毛症はその発生頻度,またはその皮膚科外来を訪れる頻度が決して少ないものと言えず,むしろ比較的重要な疾患の1つとされているが,その発生機転については不明の点が多く,さらにその治療法に至つては大矢1)も述べているごとく実に多種多彩の方法が報告されており,結局現在のところ本症に対する適確有効な治療はないと言わざるをえない模様である。
ちなみに本症の発生頻度を見ると,野北2)は本邦における統計を集めその大部分が皮膚科外来患者総数の3%ないし4%であると述べている。当北大皮膚科においても最近1年間,すなわち昭和34年10月より昭和35年9月までに外来を訪れた本症患者総教は第1表に示すごとく192名で総外来患者数の4.3%を占めている。その男女の比は132:60で男子は女子の2.2倍もの高値を示し,これは細井3)の昭和21年から昭和31年まで11カ年の統計とよく一致している。また年齢別では男子が21歳から25歳に,女子は16歳から20歳に最も多く発生しており,この男女間における最多発年齢の差異は,両者の生殖内分泌腺成熟期の差と平行しているもののごとくで,本症発生原因の1つとして内分泌平衡の失調が推測される。
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