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日本泌尿器科学会第11回中部連合地方会見聞記
後藤 薫
1
1京都大学医学部泌尿器科
pp.175-176
発行日 1961年2月1日
Published Date 1961/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203001
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日本泌尿器科学会第11回中部連合地方会は,昭和35年11月3日(文化の日)に大阪医大臨床講堂に於いて,会長石神教授のもとに午前9時より開会された。秋晴に恵まれ,会場は京阪の交通の便利な高槻市にて,早くより多数の出席者をみた。
一般演説は関西医大教授新谷座長のもとに,阪大前川より始められ,腎血流遮断操作を伴う腎保存的手術後の残存腎部の急性腎不全防止の目的に,腎局所低温法の臨床的,実験的報告があり,続いて大阪警察巽はエチールウレタンの腎阻血性低酸素症は対する影響の実験的研究を報告した。国立松山林は泌尿生殖器系疾患についてポーラログラフ蛋白波の示す癌鑑別診断的価値を検討するために行つた濾液法の測定成績を述べた。愛媛労災宮崎は近年とみに関心のたかまつて来ている腎性高血圧についてラッテを用いた実験的研究を報告し,これについて阪大井上より質問があつた。日大水本は尿路腫瘍の細胞診にsquasch methodを用いた結果を述べ,京大後藤はオデルカ・ミラーカメラによる尿路の機能的X線診断法を報告した。京府医大井上は経腰的腎盂尿管撮影の臨床的価値を述べ,これについて三重大多田,名市大菅野より夫々追加があつた。大阪逓信倉岡は嚢胞腎の嚢胞内容の化学的組成を分析して,本疾患の病原論に言及した。これより座長は金大黒田教授に代り,京大酒徳は精系血管に関する病理組織学的観察を多数の材料についてなした結果を報告した。
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