保健師ジャーナル 72巻3号 (2016年3月発行)

選択した文献の文献概要を表示する書誌情報をダウンロードする

すべて選択

特集　東日本大震災から5年―被災地のいまと，これから

扉 72巻3号 , 2016年3月 , pp.183

PDF(373KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

東日本大震災から5年が経過したいま，被災者は何を求め，支援者は何をするべきなのだろうか。これまでの保健活動による支援を振り返るとともに，被災地の現況や，被災地を支援した立場からの報告などを紹介し，災害時における保健師の役割をあらためて考える。5年という月日が経過したことで見えてきた課題や教訓を今後へ活かしたい。

東日本大震災から5年を振り返る―災害時（健康危機管理）における保健師の役割とは奥田　博子 72巻3号 , 2016年3月 , pp.184-189

PDF(943KB)

有料閲覧

文献概要を表示

東日本大震災の発生後，保健師は多岐にわたり被災者支援を行ってきた。震災後の中長期にわたる保健活動を振り返るとともに，災害時における保健師の役割について述べる。

いま求めている支援とは―福島県南相馬市からの報告大石　万里子 72巻3号 , 2016年3月 , pp.190-196

PDF(1119KB)

有料閲覧

文献概要を表示

南相馬市は，東日本大震災により多大な被害を受けた。住民支援のために奔走してきた保健師が，震災後から現在までの保健師活動を振り返るとともに，現在の状況を報告する。

医療・介護の連携を通じた復興支援―宮城県気仙沼保健福祉事務所の取り組み髙橋　祥恵 72巻3号 , 2016年3月 , pp.197-204

PDF(1253KB)

有料閲覧

文献概要を表示

宮城県気仙沼圏域では，東日本大震災後の活動が原点となり，医療・介護の連携に取り組んでいる。“医療・介護連携”という側面からの復興支援について，県の保健師の役割を含めて紹介する。

被災地への保健師の派遣のあり方―神戸市による長期派遣の取り組みを中心に丸山　佳子 , 田中　由紀子 72巻3号 , 2016年3月 , pp.205-211

PDF(881KB)

有料閲覧

文献概要を表示

神戸市は，東日本大震災に伴う保健師の派遣を短期と長期で行ってきた。派遣元として，派遣先とどのように協働してきたのかを紹介し，被災地への派遣のあり方を考える。

被災地の保健活動の課題と今後に向けて―学会による取り組みを通して見えたこと宮﨑　美砂子 , 佐伯　和子 , 上田　修代 , 石川　麻衣 , 平野　美千代 72巻3号 , 2016年3月 , pp.212-215

PDF(746KB)

有料閲覧

文献概要を表示

日本地域看護学会は，東日本大震災後に「災害支援のあり方検討プロジェクト」を立ち上げた。3年間にわたる取り組みを報告するとともに，そこから見えてきた災害支援における学会の役割を考える。

PHOTO／TOPICS

―日本健康福祉政策学会―「福幸志縁ふくしまセミナー」に参加して／―日本健康福祉政策学会―「福幸志縁ふくしまセミナー」開催西本　美和 72巻3号 , 2016年3月 , pp.177-179,224-228

PDF(4859KB)

有料閲覧

文献概要を表示

はじめに

　山々が色づき始めた2015（平成27）年10月17〜18日，日本健康福祉政策学会の福島セミナーが開催されました。日本健康福祉政策学会（以下，本学会）では，2010（平成22）年11月に福島で，第14回学術大会「出会う・つながる・笑顔で飛び立つ―住民の願いや思いを政策へ」を開催しました。そのおよそ半年後に，東日本大震災が東北を襲いました。あれから約4年半が経過しましたが，いまだ先の見えない，帰還や廃炉の問題を抱えながら，新たな再生・復興へ歩みだしている現状があります。

　今回，かつてのような大会開催は無理でも，「いまの福島を，見て，聞いて，語り合う場となる」ようにと，「福幸支縁ふくしまセミナー」と題するセミナーが開催されました。これは地元福島の理事や会員を中心に，2日間バスで福島県内各所を回り，現地のさまざまな方からお話を伺うというものです。本稿では，学会員として参加した私が見た「福島のいま」について報告します。

　本学会は，「健康福祉の町づくり，政策づくりはボトムアップから。住民と行政，専門家が一体となって，暮らしの視点から政策を作っていく」ということをコンセプトに運営されています。今回のセミナーでも，仮設住宅の自治会長さんや統合失調症で被災された方といった住民の方々のお話をはじめ，支援者や専門職，行政など，いろいろな方からお話を伺いました。

2015年10月17，18日，日本健康福祉政策学会の「福幸志縁ふくしまセミナー」が，東日本大震災と原発事故で被災した福島県で開催された。参加者は期間中，福島県内の保健福祉，地域づくりに取り組む団体や施設を訪問し，職員や地域住民との交流と意見交換を行ったほか，通過のみが許可されている放射線量の高い地域を見学した。震災から5年目を迎える地域の回復，復興，新生に向けた取り組みを報告する。

特別記事

減災社会の実現へ向けて―「減災館」の取り組み飛田　潤 72巻3号 , 2016年3月 , pp.218-222

PDF(1699KB)

有料閲覧

文献概要を表示

はじめに

　名古屋大学に「減災館」ができて1年半になる。単なる公開施設にとどまらず，さまざまな発見や出会いを生む場として関心を集め，来館者は2万5000人を超えた。減災館を拠点として展開する地域の防災・減災活動の状況を紹介し，大規模災害に向けてそれぞれの立場での備えの重要性について述べる。

調査報告

初めて0歳児をもつ母親を対象とした「新米ママと赤ちゃんの会」プログラムの目標に関する検討―参加者が満足する理由から宇野　耕司 , 増田　恵美子 , 遠藤　みどり , 蒲原　真里子 , 黒田　一美 , 伊藤　孝子 , 宮崎　彰恵 72巻3号 , 2016年3月 , pp.230-237

PDF(572KB)

有料閲覧

文献概要を表示

問題

　子ども虐待の相談件数は急激に増加している。この背景には，子育て不安や子育てにおける孤立や夫婦間の葛藤など，さまざまな問題があることが推察される。庄司は，子ども虐待の発生要因の1つに社会的孤立をあげ，虐待者の中には他者との基本的な信頼関係をもてなかった人もおり，そのような人は「他者への不信が強く，近隣から孤立しがちである」と指摘している^1）。またButchartらは，子ども虐待におけるリスク要因のうち「地域の中での孤立」や「他者との関係性の中で生ずる，ストレスに満ちた，困難な状況を援助する支援ネットワークの欠如」や「拡大家族から育児支援が得られない」などの関係性の要因をあげている。

　つまり，近隣からの孤立は援助を受ける機会を少なくすることであり，虐待のリスク要因となりうる^2）。このような孤立した子育てを予防するためには（1次的予防），子育ての自主グループなどのつながりを作り，自分たちの力によって支え合いの活動を続けていくことが重要である。

連載　統括保健師の日々・3

―統括保健師としての5年間②―連絡会を立ち上げて濵野　芳江 72巻3号 , 2016年3月 , pp.238

PDF(161KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　横須賀市では，こども育成部こども健康課が保健師の取りまとめ部署であり，その課長が統括保健師を担っています。

　私も保健師全体に関わる事項に取り組んでいましたが，保健師研修のあり方，学生実習の受け入れ方法，人材育成の方法，災害時の保健師体制なども含めると，「保健師全体に関すること」は多岐にわたっていました。これらは，保健師全体で検討しなければ前に進めないことにも気がついていました。そこで，保健師全体で検討できる場をもちたいと考え，係長以上の保健師が参加する組織横断的な「横須賀市保健師課長・係長連絡会」（以下，連絡会）を立ち上げることにしました。

連載　ナカイタ発　保健師へのつぶやき・33

質のよい睡眠の大切さを保健指導に―睡眠12箇条にもとづく保健指導ハンドブック中板　育美 72巻3号 , 2016年3月 , pp.239

PDF(177KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　「健康づくりのための睡眠指針2014〜睡眠12箇条」（厚生労働省健康局，2014年3月）をご存知ですか。2003年の改定版での7箇条からさらに5項目が増えています。

　改訂版の特徴は，マスコミも取り上げていましたが，若年世代（10代）の就寝前の携帯電話使用による夜更かしと睡眠の質など，ライフステージ別（若年・勤労・熟年世代）に睡眠の質を整理していることや，睡眠と生活習慣病や心の病など病気との関連に踏み込んでいることです。

連載　保健師のための行政学入門・15【最終回】

保健師という仕事は果たして永久不滅なのか？吉岡　京子 72巻3号 , 2016年3月 , pp.240-244

PDF(1126KB)

有料閲覧

文献概要を表示

地区担当の責任

　年度末である。毎年恒例，異動と退職が重なり，一抹の不安と寂しさが忙しさの中で綯い交ぜになる時期である。そして間もなくやってくる年度初めには，また新たなメンバーを迎える。

　かつて新人看護師だった頃，先輩から「患者さんから見たら新人もベテランも同じ看護師なんだよ」と言われたことがある。病棟では最初に日勤帯に数人の患者さんを受けもち，慣れてきた頃に自分のチーム全体を夜勤で受けもつようになる。病棟は4つのチームに分かれており，私の所属チームは消化器外科に入院中の方を担当していた。役に立つようなことはほとんどできなかった新人時代だったが，患者さんのお話に耳を傾けることだけは何とかできた。病院という特殊な環境に入院を余儀なくされている患者さんが語る「家での日常の暮らし」は，私にとって地域で生活することの意義と重要性を強く意識するきっかけとなった。

連載　現場の疑問に答える　地域づくり型保健活動 Q＆A・3

「問題の類型」とはどういうことですか？岩永　俊博 72巻3号 , 2016年3月 , pp.246-249

PDF(929KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　前回は，目的，目標，実現すべき姿ということの，この連載での原則的な定義を示しました。また，なぜ，「めざすべき姿」「実現すべき姿」というように「べき」をつけて表現するのかということも考えてみました。さらに，「住民とともに」というときの「住民」とは誰なのか，「ワークショップに参加した人だけでいいのか」「ワークショップへの参加者が住民全体の意見を代表していると言えるのか」ということも考えてみました。

　今回は，まず前回紹介した疑問のうち，「ワークショップで話し合って決めたことと議会との関係はどうなるのか」ということから考えてみましょう。

連載　ニュースウォーク・215

「こども食堂」が小さな救いの手白井　正夫 72巻3号 , 2016年3月 , pp.250-251

PDF(343KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　わが家の食卓（老夫婦だが）の話題が脱脂粉乳に移ったのは，米飯に牛乳は似合わないという理由で学校給食から牛乳をやめたまちがあるという話からだった。確か昨年夏のことだった。

　新潟市の小学校1年生で戦後が始まった身には，学校給食のアルミ椀1杯の脱脂粉乳（ミルク）は「おいしかった」という記憶しかない。市資料によると，脱脂粉乳が飲めたのは，新潟で学校給食が始まった1947（昭和22）年，私が小学2，3年のころである。だから「学校給食＝脱脂粉乳」が染みついている。

連載　研究室からのメッセージ・133

東京医療保健大学医療保健学部看護学科　地域看護学領域佐々木　美奈子 , 渡會　睦子 , 伊藤　美千代 72巻3号 , 2016年3月 , pp.257

PDF(519KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

History and Now

どのような機関なのでしょう？

　本学は2005（平成17）年に開学し，昨年，開学10年を迎えました。「科学技術にもとづく正確な医療保健の学問的教育・研究および臨床活動」「寛容と温かみのある人間性と生命に対する畏敬の念を尊重する精神」を建学の精神とし，これからの社会が抱えるさまざまな課題に対して，新しい視点から総合的に探求し解決することのできる人材の育成を目的としています。

　医療保健学部看護学科地域看護学領域では，3名の常勤教員に加え，現場経験の長い非常勤教員の協力を得ながら，実習指導を行っています。

--------------------

バックナンバー一覧 72巻3号 , 2016年3月 , pp.217

PDF(695KB)

フリーアクセス

NEWS DIGEST 72巻3号 , 2016年3月 , pp.252-253

PDF(848KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

保健・医療・福祉のこのひとつきの動き

障害者虐待で2703人被害

2014年度，厚労省まとめ

　2014年度に確認された障害者への虐待は2276件で，前年度より4件少なかった。調査は3回目。厚生労働省が自治体などの把握した事例をまとめ，22日に公表した。

　被害者は44人増えて2703人に上り，このうち3人は死亡した。家族らによる虐待が約7割を占め，施設職員らによる虐待は増えている。

INFORMATION　学会・研究会・講演会などのお知らせ 72巻3号 , 2016年3月 , pp.254

PDF(436KB)

フリーアクセス

今月の3冊プラス1 72巻3号 , 2016年3月 , pp.256

PDF(365KB)

フリーアクセス

次号予告・編集後記 72巻3号 , 2016年3月 , pp.258

PDF(336KB)

フリーアクセス

基本情報

保健師ジャーナル
72巻3号
(2016年3月発行)

電子版ISSN：1882-1413 印刷版ISSN：1348-8333 医学書院

お気に入り登録(雑誌)
お気に入り登録(号)
最新号をみる

前身誌

保健婦雑誌

バックナンバー ( 閲覧可 )

文献閲覧数ランキング(
12月23日～12月29日
)

第1位分散配置の意味は，新しい課題に気づくこと―高齢者福祉行政の経験を中心に小宮山恵美保健師ジャーナル 67巻 10号 pp. 868-872 (2011年10月10日) 医学書院
第2位産業保健分野における関わり方と支援の実際村田陽子保健師ジャーナル 79巻 1号 pp. 42-48 (2023年2月10日) 医学書院
第3位連続変数の解析—ステューデントのt検定とマン・ホイットニーのU検定加藤丈夫保健師ジャーナル 75巻 7号 pp. 616-620 (2019年7月10日) 医学書院
第4位「ポピュレーションベースのアセスメントと分析」「健康増進・予防活動の実践」和泉比佐子,佐伯和子,冨山紀代美,井口理,吉村史子,竹中香名子保健師ジャーナル 80巻 6号 pp. 534-540 (2024年12月10日) 医学書院
第5位大人の発達障害とグレーゾーンの特徴および支援のポイント村上伸治保健師ジャーナル 79巻 1号 pp. 12-17 (2023年2月10日) 医学書院
第6位災害関連死を防ぐ避難所の環境整備　災害救助法の徹底活用と避難所TKB 岡本正保健師ジャーナル 80巻 5号 pp. 436-441 (2024年10月10日) 医学書院
第7位全国自治体で実施されている父親への育児支援の現状髙木悦子,小崎恭弘,阿川勇太,竹原健二保健師ジャーナル 78巻 4号 pp. 306-310 (2022年8月10日) 医学書院
第8位メタボリックシンドロームの保健指導—必要な病態理解とアセスメント野口緑保健師ジャーナル 80巻 6号 pp. 541-548 (2024年12月10日) 医学書院
第9位高血圧の保健指導—考え方と展開野口緑保健師ジャーナル 80巻 4号 pp. 338-345 (2024年8月10日) 医学書院
第10位聖路加国際大学大学院看護学研究科　公衆衛生看護学大森純子,小林真朝,浦口真奈美,河本秋子,根岸薫保健師ジャーナル 80巻 6号 pp. 550 (2024年12月10日) 医学書院

投稿規定

年間購読申込

保健師ジャーナル 72巻3号 (2016年3月発行)

特集 東日本大震災から5年―被災地のいまと，これから

PHOTO／TOPICS

特別記事

調査報告

連載 統括保健師の日々・3

連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・33

連載 保健師のための行政学入門・15【最終回】

連載 現場の疑問に答える 地域づくり型保健活動 Q＆A・3

連載 ニュースウォーク・215

連載 研究室からのメッセージ・133