調査報告
初めて0歳児をもつ母親を対象とした「新米ママと赤ちゃんの会」プログラムの目標に関する検討―参加者が満足する理由から
宇野 耕司
1
,
増田 恵美子
2
,
遠藤 みどり
2
,
蒲原 真里子
2
,
黒田 一美
2
,
伊藤 孝子
3
,
宮崎 彰恵
3
1目白大学人間学部心理カウンセリング学科
2特定非営利活動法人ウイズアイ
3ひがしくるめ助産師会
pp.230-237
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200397
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問題
子ども虐待の相談件数は急激に増加している。この背景には,子育て不安や子育てにおける孤立や夫婦間の葛藤など,さまざまな問題があることが推察される。庄司は,子ども虐待の発生要因の1つに社会的孤立をあげ,虐待者の中には他者との基本的な信頼関係をもてなかった人もおり,そのような人は「他者への不信が強く,近隣から孤立しがちである」と指摘している1)。またButchartらは,子ども虐待におけるリスク要因のうち「地域の中での孤立」や「他者との関係性の中で生ずる,ストレスに満ちた,困難な状況を援助する支援ネットワークの欠如」や「拡大家族から育児支援が得られない」などの関係性の要因をあげている。
つまり,近隣からの孤立は援助を受ける機会を少なくすることであり,虐待のリスク要因となりうる2)。このような孤立した子育てを予防するためには(1次的予防),子育ての自主グループなどのつながりを作り,自分たちの力によって支え合いの活動を続けていくことが重要である。
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