助産雑誌 73巻6号 (2019年6月)

特集 助産師が知っておきたい 2週間健診&1カ月健診での母子支援

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医師の行う健診に助産師さんが同席することは多いと思いますが,新生児の1カ月健診で医師が行う,問診・診察,予防接種,股関節のチェック,母親の不安への寄り添い方,といった点について,その内容とポイントを解説します。また,近年実施する施設が増えた2週間健診での留意点や,退院後にお母さんから多く聞かれる質問にもお答えいただきます。

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小児科医師として,日々多くの母子に接している筆者に,初期の乳児健診の大切なことをまとめていただきました。特に,産科から小児科へのバトンタッチとなる1カ月健診は,スムーズな引き継ぎが望まれるそうです。

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生後1カ月健診において,健診医がどういった点で赤ちゃんを診ているのか,問診・診察の際のチェックポイントや,注意すべき異常・疾患と小児科医に紹介するタイミングを解説していただきました。

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産後1カ月健診は,お母さんのメンタルヘルスをみる重要な機会の一つです。本稿では,健診に当たっての実施内容,留意点,評価と連携についてまとめていただきました。

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乳児期に起こる股関節脱臼の多くは,生まれてからのおむつや衣類の当て方や抱き方,仰臥位の向き癖などに注意することにより重症化を防ぐことができます。本稿では,1カ月健診でのチェックポイントとスクリーニングの流れ,予防指導について解説していただきます。

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生後間もない赤ちゃんへの予防接種は,多くの感染症を予防するという意味で非常に有用です。本稿では,ワクチンによる十分な免疫を生後6カ月までに獲得するために最適な生後2カ月からのワクチンデビューや,その後の接種の注意点を解説いただきます。また,保護者の方に伝えたい予防接種の知識も紹介いただきます。

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愛育クリニックの2週間健診は,母親と児のどちらかだけではなく,両者を対象としたものです。小児科医師と助産師・看護師が,身体面や精神面,母親の児への関わり方などを丁寧に見ていきます。今後の育児への不安を取り除くためにも,産後2週間という時期が大切であることをまとめていただきました。

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退院後,自宅に戻ってから赤ちゃんのお世話について不安になるお母さんはとても多いです。2週間健診や1カ月健診で実際に挙がった質問に対して,どのように答えたらよいか,助産師へ向けてのアドバイスを神奈川県助産師会「女性のための健康講座」を担当する助産師のみなさんにまとめていただきました。

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産後はどうしても赤ちゃん中心の生活になりがちです。ふと我に返ると,お母さん自身が疲れていて,気持ちが沈んでいたりすることもあります。気持ちを吐露してくれたお母さんにどう答えたらよいか,助産師へ向けてのアドバイスを神奈川県助産師会「女性のための健康講座」を担当する助産師のみなさんにまとめていただきました。

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はじめに

 1991年にWHOとUNICEFによって「赤ちゃんにやさしい病院運動(Baby-Friendly Hospital Initiative:以下,BFHI)」が開始されてから,多くの国でBFHIが実施されてきました。しかし,2017年に報告された調査結果1)によると,赤ちゃんにやさしい病院(Baby Friendly Hospital:以下,BFH)で出生する新生児の割合は世界全体でも10%程度と少なく,また多くの国では,BFH認定後に,それを継続できるようなモニタリングや再認定の仕組みが整っていないことが分かりました。このように,開始後25年が経過しても,世界中でBFHIが普及していない上に,BFH認定施設の割合も低いことから,WHOとUNICEFは,BFHIの再評価と再活性化のための活動を2015年から開始しました。

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はじめに

 古来,日本では妊娠5カ月の戌の日に神社やお寺にお参りし,安産祈願を行い“さらし腹帯”(以下,帯)を巻いて「帯祝い」をする風習があります。ただ残念なことに,昨今,帯を巻いている妊婦さんに出会う機会は大変少なくなってきました。

 本稿は,安産祈願で有名な東京・水天宮内で開始した「助産師OBiの会」の設立動機と活動内容を紹介します。

 メンバーは,2017年日本助産師会90周年総会に参加した6人の助産師で,出産現場の変化,助産院分娩数減少などに不安を覚え,100周年を目指して何か動かなければいけないと意気投合した仲間です。

連載 私たちの仕事場・32

立川相互病院 産婦人科
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 立川相互病院(以下,当院)は1951年に診療所から始まった地域に根差した病院です。現在は287床の急性期病院であり,2016年に新病院建設で現在の場所に移転しました。新病院移転に伴い,産婦人科病棟は30床に増床され,分娩件数もこれまでの約1.5倍に増えました。忙しい中,スタッフは力を合わせて毎日働いています。

 産婦人科は院内唯一,病棟と外来を1つの看護単位でケアしています。外来で妊婦健診を担当した産婦さんの分娩を介助したり,また入院中に行った乳房ケアも外来で継続して支援できたりというメリットがあり,日々連絡を密にしながら看護しています。

連載 宝物,教えてください・41

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 今でこそ,私という人間はポジティブで社交的,新しいことを考えたり始めたりすることが何よりも好きで,人とつながって仕事をすること,人に伝えることも大好きだと自覚しています。おかげさまでたくさんの仲間ができ,ユニークな経歴を持つこともできました。

 この企画の依頼が届き,「宝物は? 一体それはいつから?」と考えた時,それはこんな私の人間形成を初めに支えてくれた人なのではと思いました。その人は私が思春期に出会い,当時の私を導いてくれたメンター(先生)です。先生は10代前半の生意気な私を受け止め,励まし,日々勇気付けてくれました。そして14歳の誕生日に,「これからの人生は厳しいが前向きにチャレンジし続けなさい。その笑顔で乗り切りなさい。途中で息切れしないよう,身体にも心にもたっぷり栄養を与えなさい」という言葉と共に,このブローチを贈ってくれました。一体いくつになったら,違和感なく身に着けられるのだろうと思い続けて40年近くが経ち,今やっとブローチに追いつくことができたのではないかと思っています。

連載 現場が変わる! チームに働きかける母性看護CNSの実践・6

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[事例]

 椿さん(仮名)は妊娠6カ月時,近医で羊水過少を指摘され,総合周産期母子センターを受診した。精査入院で,児の器質的問題と,子宮内胎児死亡か新生児死亡への転帰の想定が夫婦に伝えられた。椿さんは流涙しながら,無念な心情と自責の念を話した。

 今後の方針として,夫婦は児への負担を最小限にしたいと経腟分娩を希望し,児の蘇生は行わないことを選択した。告知に立ち会った病棟助産師は,告知内容の受け止め方や,今後のケアの意向を確認したかった。しかし,椿さんの様子から時期尚早と感じたため,外来スタッフに依頼した。

連載 NIPTと優生思想をめぐって・3

出生前診断と優生思想 仁志田 博司
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出生前診断とは

 出生前診断(antenatal diagnosis)とは胎児診断(fetal diagnosis)と同義語で,近年は超音波などの画像診断および胎児採血や羊水検査により,胎児の状態や疾患の有無を診断することが可能となってきた。それによって,生まれる前に多くの児の疾患や問題が明らかとなるので,例えば横隔膜ヘルニアのように,児が泣かないように麻酔をして帝王切開で出生させ,すぐに挿管して手術まで状態を安定させる管理で救命率が向上している1)。しかし同時に出生前診断そのものには,これまで述べてきたNIPTをめぐる議論と同様に多くの倫理的問題が含まれている2)

 歴史的に出生前診断が優生主義と関連して議論となったのが,妊娠11〜14週頃に超音波で胎児の後頸部に認められる浮腫像(nuchal translucency:NT)である。NTの大きさが5mm以上であると胎児の異常,特にダウン症候群が50%以上の確率であるとする報告から,ある時期にはその所見ゆえに妊婦に多大な不安を与え,中絶される事例もあった。しかし現在では,その大半が自然退縮することが明らかとなり,他の所見と組み合わせて経過を見るようになった3)

連載 地域助産師&施設助産師&保健師がつながれば笑顔が広がる 「助助っぽ連携」を始めよう!・3

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 こんにちは! 前々号から始まったこの連載ですが,初めて読んでいただく方に「助助っぽ連携」について少しだけ説明します。

「助」:ママが出産した施設の助産師

「助」:ママがいる地域の助産師

「ぽ」:ママがいる地域の保健師

 これが「助助っぽ」の意味です。なんとなく響きがかわいくて,ふんわりした感じがとてもいいと思いませんか? これから広めていけたらな〜と思っています(詳細は『助産雑誌』2018年11月号もご参照ください)。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・50

宮崎県立看護大学 別科助産専攻
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沿革

 宮崎県立看護大学 別科助産専攻(以下,本専攻)の前身は,1970年に助産師養成を目的として設立された県立宮崎保健婦助産婦専門学院に遡ります。552名の卒業生全員が保健婦,助産婦の免許を取得しました。1997年には九州で初めての県立の看護大学として宮崎県立看護大学が開学し,2000年には助産師課程選択制が開設されました。その後2001年には博士前期課程,2005年には博士後期課程が開設されました。本学の講堂は,わが国最初の看護学校を設立した高木兼寛にちなんで「高木講堂」と命名されています。

 2017年には宮崎県内の助産師不足の改善の目的で本専攻が設置されました。本専攻の教育理念は「豊かな人間性を持ち,宮崎の母子保健・医療・福祉に貢献できる実践力を持つ助産師を育成します」であり,質の高い実践的助産師の育成を目的とし,地域に密着した専門職業人を目指しています。さらに,県立看護大学の役割として,学び直しのニーズに対応したキャリア教育を充実させています。

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「八尾の助産師の会」の立ち上げ

 ちょうど4年前。市の広報に「NPOや市民団体による子育てや次世代育成のための事業に助成金を出します」という記事が目に飛び込んできました。居ても立ってもいられなくなり,勤めていた保健センターの仲間や知人の助産師に声を掛けると,皆が賛同してくれて,十数名の助産師で「八尾の助産師の会」ができました。もっとセンスが光るネーミングが良かったのですが,締切まで1カ月もなく,至ってシンプルな名前になりました。今となっては,とても分かりやすくて良かったのかなと思います。

 私がどうして居ても立ってもいられなくなったか,それには理由が2つあります。1つは,出産した助産院で親子で聞いた子ども向けの「いのちの教室」に感銘を受け,もっと大勢の人に知ってもらいたいと思い続けたからです。2つ目は,助産師の知名度です。今はドラマ「コウノドリ」のおかげで,子どもたちの間でも助産師の名が広がりました。助産師に憧れる女の子にもちらほら出会い,嬉しい限りです。

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助産雑誌
73巻6号 (2019年6月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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