助産雑誌 71巻6号 (2017年6月)

特集 超音波検査の今と助産師のかかわり方

  • 文献概要を表示

助産師は,妊婦に直接触れるフィジカルアセスメントにより経過を把握し出産へと導いていく専門職ですが,近年は胎児の状態を観察できる医療検査機器も普及しています。なかでも超音波検査は,医師による診察だけでなく助産師外来等でも用いられることが増えており,欧米と比較して日本の超音波検査の回数は突出して多いとの指摘もあります。

今回の特集では,超音波検査について押さえておきたい知識を整理し,日本における実施状況を俯瞰で見るとともに,医師の視点・助産師の視点を共有し,超音波検査について改めて考えられればと思います。

  • 文献概要を表示

超音波検査の導入による妊婦健診の変容について,また,妊婦が超音波検査を望む理由,超音波検査に対する妊婦の反応や語りについて,紹介していただきました。そのなかで,助産師として超音波検査にどう向き合っていけばいいのかというヒントを示していただいています。

超音波検査の実情 大橋 一友
  • 文献概要を表示

妊婦への超音波検査のメリットとデメリットについて,日本や諸外国での実施状況を踏まえ最新のエビデンスを示しながら解説していただきました。また,今後超音波検査をどう考え扱っていけばよいかについても言及していただいています。

  • 文献概要を表示

超音波検査によって周産期医療は進歩しましたが,限界があることも認識しなくてはなりません。また,胎児へもたらす影響が懸念されており,安全性に関しては議論がされています。胎児の成長を見たいという妊婦の希望と安全性を理解したうえで,適切な使用頻度・方法を考える必要がありそうです。

  • 文献概要を表示

荏原病院では,妊婦全員が原則受診する助産師外来のなかで,超音波検査を行なっています。助産師外来における超音波検査をどのように行なっているのか,妊娠週数に応じた確認事項と医師への報告基準なども含めて紹介していただきました。

  • 文献概要を表示

あまり必要性を感じないため,超音波診断装置を導入していない助産院エル・アール・ハウス。妊婦に触れることで,とても多くの情報を得ることができるうえに,コミュニケーションも取れ,なにより信頼関係が築けます。数値だけに頼らず,自分の感覚による情報を大事にした妊婦健診の実践を紹介していただきます。

連載 私たちの仕事場・17

香川県立中央病院 産科ユニット
  • 文献概要を表示

 香川県立中央病院(以下,当院)は,地域医療支援病院として,香川県の中央に位置する高松市にあります。安全と安心を県民や地域医療機関から信頼される病院を目指して,多くの妊産婦を受け入れています。

連載 宝物,教えてください・17

  • 文献概要を表示

 1988年の初夏。別の業界で活躍される方を,若手看護職がインタビューするという看護系雑誌のシリーズ企画が同級生から回ってきた。海外への取材旅行にお出かけ前のアニメーション作家・宮﨑駿さんに,たまたま空いた時間があったのは運としか言いようがない。インタビュー終了後にいただいた映画のプロモーション用トトロがこれである。当時の宮﨑さんの年齢をはるかに越えた今,初対面の訪問者に予定時間を大幅に延長して語ってくださった巨匠のお気持ちを嬉しく受け止めている。

 お話の内容は,その時の私には理解できないことも多かったけれど,「自然と人がどう向き合うか」という通奏低音のようなテーマは意識のなかで醸され,翌年に助産院へ修行に出ることとなった。そこそこの実践力をもとに次の道を探っていた,ちょっと生意気な助産師6年生の背中を「面白いのはここからだよ」と押してくれたのは?

連載 助産師スピリットを育てよう! 矢島助産院の実習調整会 助産院実習における学校との協働・3

  • 文献概要を表示

 連載3回目となる今回は,実習調整会で各学校の先生方と矢島助産院(以下,当助産院)スタッフとで行なったワールドカフェ方式の話し合いを中心にお話しします。

 ここ数年でよく見聞きするようになったワールドカフェという言葉。ワールドカフェとは,カフェにいるようなリラックスした空間で,会話を通し,学校や会社,地域など所属や目的を同じくする集団が相互理解を促し,お互いの関係性の質を高め,新しいアイディアを生み出す話し合いの手法のことです。

連載 ワタナベダイチ式! 両親学級のつくり方・12

考える沐浴実習 渡辺 大地
  • 文献概要を表示

両親学級に必要なコンテンツとは

 以前,ある保健センターから両親学級の講師依頼をいただいた時の話です。妊娠中の夫婦向けに15分間の講演をしてほしいというリクエストでした。ありがたく受けたのですが,私の両親学級はワークショップや意見交換を中心とした内容なので,普段は2時間で開催しています。正直15分というのはあまりにも短く,私の自己紹介くらいしかできません。ですから,可能であれば少なくとも30〜45分程度もらえないものかと相談しました。ですが,全120分間の学級で,歯科衛生士や栄養士,保健師による時間もあり,私の担当部分にこれ以上時間を割けないということでした。

 さて,当日私の出番は120分の最後の15分間だったのですが,念のため学級の最初からスタンバイしておいてほしいということで,すべて見学させていただきました。以下が,その時のタイムスケジュールです。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・27

  • 文献概要を表示

日本赤十字学園唯一の学部教育としての助産師教育課程

 日本赤十字広島看護大学(以下,本学)は,1400年の歴史をもつ世界遺産である厳島神社をキャンパスから一望できる豊かな自然環境に恵まれた看護大学です。日本赤十字学園の中国・四国ブロックの拠点校として2000年に開学しました。本学は赤十字の人道の理念に基づき,国内外の保健・医療・福祉の分野で幅広く活躍できる人材を育成し,看護学の発展および人類の福祉の向上に寄与することを目的としています。

 助産師教育課程は学部教育としてカリキュラムを編成しており,毎年10名程度の助産学生を養成しています。助産師教育課程は,赤十字の基本理念であるヒューマン・ケアリングを基盤に,生命の尊厳,人間の基本的権利と価値観を尊重する基本的倫理観および助産師としての信念をもち,周産期の母子および家族,女性のライフサイクル各期の健康課題の解決および健康の保持増進に必要な専門的な診断・技術を活用して,助産師としての役割や責務を遂行できる自律した助産師を育成することを教育目的としています。

  • 文献概要を表示

サンゴ・ケアを開設した背景

 私が産後の母子ケア施設「サンゴ・ケア」を愛知県名古屋市内に開設したのは,1995(平成7)年であった。あれからすでに20年が経った。当時,サンゴ・ケアにケアイン(宿泊)していた淳ちゃんの母親から今年も年賀状が届き,息子が大学生になったと書かれていて,感慨一入であった。

 近年,少子化問題が深刻化し,政府は諸々の施策を発表している。そして,産後の母子ケアの必要性が取り上げられ,実施されつつある。

  • 文献概要を表示

調査の背景

 近年,産科医師不足や分娩取り扱い施設の減少など,産科医療現場には多くの課題がある。このような産科医療情勢に対して,院内助産システムが注目されている。A病院は2002年に開院と同時に産婦人科病棟を開設し,2011年にバースセンターを開設した。今回,バースセンター開設から3年弱を経過した時点でのA病院バースセンターの利用状況と,利用した母親の満足度を調査したので報告する。

  • 文献概要を表示

はじめに

トランプ大統領の誕生

 2016年末のアメリカ大統領選挙では,過激な発言で注目を集めていた実業家のドナルド・トランプ候補が勝利をおさめ,今まさにトランプ政権によるアメリカ合衆国政治が進行中である。わが国の報道では,前国務長官のヒラリー・クリントン候補の前評判が高く,アメリカ初の女性大統領誕生への期待も大きく膨らんでいただけに,各州の開票結果が発表されるたびに,驚愕した方も多かったことであろう。

 こうして世界中が注目したアメリカ大統領選挙が,実は人工妊娠中絶論争と関連していることを日本の助産師のどれだけの方がご存知だろうか。トランプ大統領の就任により,世界,特に開発途上国の女性のリプロダクティブ・ヘルスが今後悪化していくことが大きく懸念されており,その状況をまとめたのでここに報告する。

この本,いかがですか?

  • 文献概要を表示

 現代の日本人女性は仕事や育児,介護など,それぞれにおいて大きな問題を抱えながら生きています。それらは一見,個別の問題のように扱われますが,実際には複雑に絡み合っていてなかなか抜け出せないのが現状です。例えば育児をしながら働いている女性は,子どもが成長するまで時間的,体力的に余裕がありません。さらに,そこへ突然自身のがんという重大な出来事が起こってしまったらどうすればいいのでしょうか。本書では,そのような複雑な問題についても取り上げており,がん経験者の立場からすると「まさにそれこそが現実!」と強く共感しました。

 私は23歳の時に子宮頸がんによって子宮を失い,その後治療による後遺症を抱えました。これまでの12年間を振り返ってみて気づいたことは,年齢とともに悩みが変化していったということでした。おしゃれが大好きだった20代半ばまではお腹の傷を見られることが嫌で旅行に行けませんでしたし,20代後半からは出産できないために恋愛や結婚に戸惑いました。そして30代後半に差し掛かろうとしている現在は,早発閉経に備えて検査を受けている状況です。つまり,1人のがん患者であっても年月とともに社会や家庭での役割,また自分のありたい姿は変化します。だからこそ,がんが完治してもその後の長期にわたるサポートが必要となります。

--------------------

バックナンバーのご案内

BOOKS

Information

次号予告・編集後記

基本情報

13478168.71.6.jpg
助産雑誌
71巻6号 (2017年6月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

前身誌

文献閲覧数ランキング(
7月15日~7月21日
)