訪問看護と介護 3巻9号 (1998年9月発行)

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特集　病院と連携する

病院と訪問看護ステーション　それぞれの対応と現状の問題点片倉　直子 , 濱尾　房子 3巻9号 , 1998年9月 , pp.627-631

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　清水市立病院（以下，当院）では，退院後の患者への看護援助を昭和55年から行なっている．筆者らは在宅療養支援の経験を通して，病院が在宅療養患者に対し今後どのように関わればいいのか，また病院からみた訪問看護ステーションについて考えを述べたいと思う．

病院との連携をどうはかってきたか池ケ谷　紀子 3巻9号 , 1998年9月 , pp.632-636

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はじめに

　武蔵野赤十字病院は以前，医療機関からの訪問看護を行なっていました（1984～1995年）．高度医療を行なう病院から退院する患者さんは医療依存度が高く，症状が不安定な状態の方が多いのですが，そういった方へ入院中から退院後の生活支援についていろいろと調整し，退院指導から福祉サービスの活用までを行なっていた実績があります．

　1993年4月，同敷地内に武蔵野赤十字訪問看護ステーション（以下，当ステーションと略す）が開設し，一医療機関のサービス部門としての訪問看護から，地域医療ニーズに応えるような看護へと活動を変化させました．現在は武蔵野赤十字病院から退院する患者さんの毎月10人ほどが当ステーションをご利用いただいています．

病院との連携窓口としての看護相談室栗原　知女 3巻9号 , 1998年9月 , pp.637-643

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訪問看護ステーションと看護相談室の連携

　最近，看護相談室を置く病院が急激に増えている．いま，なぜ，このような動きが活発化してきたのか．従来からある医療ソーシャルワーカーの相談室とは役割がどのように異なるのか．たとえば，早期退院と継続看護を推進には，看護相談室が重要な機能を果たすと思われるが，その前提として訪問看護ステーションをはじめとする地域のケアサービスとの連携が不可欠であろう．そのような連携の成功例のモデルとして，東京都市部の訪問看護ステーション所長Wさん，そして，ここと連携をとる総合病院の看護相談室のTさん，Dさんに同席していただき，話をうかがった．

【ケースレポート】引き継ぎ時のトラブルをどのように解決したか春日　信一 3巻9号 , 1998年9月 , pp.644-646

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　患者さんが在宅へ帰ってくる．

　在宅ケアを引き受ける側は，患者さんの健康上の問題もさることながら，退院したその日から「どのように生活していくか」といった部分にもかかわることが多い．患者さんにご家族がいなかったり，いても高齢である場合はなおさらである．

　このケースレポートでは，複数の訪問看護ステーションの所長さんに，引き継ぎに問題があると感じたケースをどのように解決しようとしたか，という実例を紹介してもらった．

「退院時」と「入院時」における病院との情報のやりとりについて横田　喜久恵 3巻9号 , 1998年9月 , pp.647-650

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はじめに

　医療経済的にも，本来の治療の場という観点からも，病院の入院期間の短縮化が最近目立ってきたことは訪問看護をしている者にとっても気になるところです．一方，退院を勧められた患者さんのなかには，治療を続けながら，また在宅生活を続けることが不安なまま自宅に戻る患者さんも目立ちます．このような現実において，病院の看護職と在宅の看護職がおたがいに効果的な看護の継続をしていくためにはどのような視点で対応していけばよいのか，そしてそれぞれがどのような情報を引き継ぐべきなのかを，地域での受け入れ機関の1つである訪問看護ステーションの立場で考えてみたいと思います．

看護職による保健・医療・福祉間の継続看護システムづくり―日本看護協会「先駆的保健活動交流推進事業」報告加藤　ハマ子 3巻9号 , 1998年9月 , pp.651-656

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はじめに

　最近，医療の提供システムは大きく変貌しつつあり，従来の施設収容中心の医療から在宅医療へと変化している．

　宮城県看護協会は医療提供システムの変化に伴い，医療機関から在宅支援機関へ，在宅支援機関から医療機関へと患者が移動する際，継続看護の視点から「連絡票」による連携を試みようとしていた．それを日本看護協会先駆的保健活動交流推進事業として取り上げていただくことになり，仙台市内全域にわたる範囲で1つの事業として取り組むことになった．

インタビュー

AIDSの「いま」と在宅ケア―国立国際医療センター／エイズ治療・研究開発センターコーディネーター池田和子氏にきく池田　和子 3巻9号 , 1998年9月 , pp.658-662

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　AIDS「後天性免疫不全症候群（acquired immunodeficiency syndrome）＝エイズ」は，治療薬の進歩により，いまや「慢性疾患」の様相を呈してきたといわれています．在宅で暮らしている患者さんが多く，訪問看護婦や保健婦がかかわるケースも増えてきました．

　そこで今回，日本におけるAIDS治療の最先端をいく医療機関である，国立国際医療センター／エイズ治療・研究開発センターのコーディネーター・池田和子さんに，AIDS治療や在宅ケアについてお話をうかがいました．

連載　知っておきたい医学情報・8

在宅中心静脈栄養法（HPN）の管理―基礎編松末　智 3巻9号 , 1998年9月 , pp.663-668

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はじめに

　在宅中心静脈栄養法（HPN）を2回にわたって概説するが，1回目は基礎編として，中心静脈栄養法に必要な知識を解説し，2回目に具体的な例を挙げてHPNの管理の実際を述べる．

連載　比較介護論・9

デンマークのホームケア・9

ケアに関する予算と人員配置村嶋　幸代 3巻9号 , 1998年9月 , pp.673-678

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　今回は，施設ケアと地域ケアとの融合策が済んだ1つの地域で，どのように地区が分割されているのか，どの程度ケアが必要な高齢者の発生率が見込まれているのか，それに対してどの程度のスタッフが用意されているのか，スタッフ不足の時はどうするのか，町の予算はどのようになっているのかについての事例をみたい．

連載　補助用具の選び方・8

歩行補助用具（歩行器・歩行車）の種類と選定丸山　武彦 3巻9号 , 1998年9月 , pp.679-681

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歩行補助用具とは

　今回のテーマは歩行補助用具です．

　歩行補助用具とはどんなものかといいますと，読んで字のごとく歩行を助ける道具，つまり杖や歩行器，歩行車などをいいます．いろいろな種類がある補助用具のなかでも，高齢者によく選ばれ使われているものだと思います．

連載　老いの　円還　みちしるべ―お年寄りの顔がほころぶ「もの・うた・とき・ひと」話

今月の話題　君の名は―ラジオの黄金時代米沢　慧 3巻9号 , 1998年9月 , pp.694-695

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　高齢の利用者とコミュニケーションをはかるとき，読者のみなさんはどのような工夫をしていますか．どのような話題のとき，お年寄りの顔が輝くのを感じますか．

　人は老いとともに幼かった頃へ還るといいます．この連載では“いきいきとした会話”の糸口として「お年寄りが歩んできた時代」を紹介していきます．ぜひ利用者の方と一緒に雑誌を広げてこ覧ください．

訪問看護ステーション経営A to Z・25

ステーションの情報検索―Yahoo 小山　秀夫 3巻9号 , 1998年9月 , pp.669-672

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ケアマネジメントの検索

　友人のクライドF．伊藤氏に合衆国のケアマネジメントについて，興味ある話を聴きました．彼は，米国籍の日本人で，今は東京に住んでいます．両親は米国西部，妹は東部に住んでいるそうです．

　わが国では，ケースマネジメントとケアマネジメントは，ほぼ同義語のように考えられていますが，彼は「全く別のものである」と言います．ケースマネジメントとは，病院や在宅サービス会社，あるいは保険会社の仕事の一部であるのに対して，ケアマネジメントは「個人である依頼人を客とするサービス業である」と主張します．

研究報告　老人の在宅ケアにおける看護技術研究

在宅看護における医療処置の管理に関するプロトコール（試案）の作成［前編］川村　佐和子 , 数間　恵子 , 川越　博美 , 平林　勝正 , 宮崎　和加子 , 横田　喜久恵 , 数藤　綾子 , 牛込　三和子 3巻9号 , 1998年9月 , pp.682-692

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編集室より

　本研究は平成9年度厚生科学研究費補助金による看護対策総合研究事業の一環として行なわれたものである．この研究補助金による在宅看護に関する研究は川村佐和子氏を代表研究者として平成6年度から行なわれており，今回の研究はその継続研究ということになる．平成6年度からの研究テーマとその掲載誌一覧については別表に示した．

　平成9年度の研究では，4つの医療処置管理についてのプロトコール（試案）を作成した．その内容を本誌では本号と次号の2回に分けて掲載する．

米国短報

ブームにみる米国文化 Scott 渡辺　由佳里 3巻9号 , 1998年9月 , pp.696-697

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　標準体重の数値が見直され，厳しくなったために一夜にして米国民の55％が太目～肥満に属するようになったことを前号でお話しました．毎年国民の平均体重が増加している事実は確かに深刻ですが，根本的な改善方法を提示せずに基準値だけを下げることにどういった意味があるのかは不明です．

　こういった不可解な出来事のひとつに大学卒業生の教員試験があります．今年初めて行なわれた教員試験の結果，マサチューセッツ州の受験者の57％が不合格だったことから，合格ラインを下げて合格者を増やそうとする教育委員会と，来る選挙で再選を狙う知事の間でラインを下げる下げないでもめました．私が不思議に思ったのは，「教育は我々の子供たちの将来にもっとも大切もの．だから教員のスタンダードを下げるわけにはいかない」いう知事のコメントです．合格ラインを上げても根本的な問題が解決されなければ教員のスタンダードが上がる筈はありません．そうでなくても給料の安い教員にはなり手がないのです．合格ラインを厳しくしたら，さらに教員不足が深刻化しますが，これにはどういう対策を講じるのでしょう？

基本情報

訪問看護と介護
3巻9号
(1998年9月発行)

電子版ISSN：1882-143X 印刷版ISSN：1341-7045 医学書院

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特集 病院と連携する

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連載 知っておきたい医学情報・8

連載 比較介護論・9

デンマークのホームケア・9

連載 補助用具の選び方・8

連載 老いの 円還 みちしるべ―お年寄りの顔がほころぶ「もの・うた・とき・ひと」話

訪問看護ステーション経営A to Z・25

研究報告 老人の在宅ケアにおける看護技術研究

米国短報

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