訪問看護と介護 26巻5号 (2021年5月)

特集 尿道カテーテル管理の先を見通す—早期抜去と閉塞・感染予防

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長期になりがちな在宅での尿道留置カテーテルは、訪問看護師が常にその適応を問い続ける必要があります。

緊急事態にさせない日々のケアも、抜去を含めた他の処置への移行も、常に可能性を問い、判断し、伝えることが重要で、それは「排泄にまつわるACP」と言っても過言ではありません。

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 研修医の頃に在宅医療に初めて触れ、その後大学病院で勤務していた際、通院困難な患者さんとご家族が苦労しながら通院している状況を見て、可能な限り住み慣れた環境で自分らしい生活を送ることに真摯に寄り添いたいと考え、在宅医療を志しました。現在は東京都渋谷区と埼玉県北本市で機能強化型在宅療養支援診療所を運営しています。

 大学病院では泌尿器科医として診療を行い、地域に出てからは頼られるかかりつけ医を目指して、患者さんの療養生活上の課題を包括的に考え、その解決のために尽力しています。

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 尿道留置カテーテルが挿入されているのは、利用者さん個人の「身体」です。しかし、その一本のカテーテル(「モノ」)が入ることで、本人の思いやさまざまな療養環境への影響があります。環境とは、住環境等だけでなく介護者などの「ヒト」や、療養に必要なものにかかる「カネ」など多岐にわたるでしょう。

 必要性と適応があって挿入されたカテーテルです。しかし、それによる影響を検討し、「抜く?」「抜かない?」を判断するには、本人の全身評価はもちろん、それら療養環境の評価も大切になってきます。

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 複合型サービスじゃんけんぽん観音寺(以下、当事業所)は、群馬県高崎市の中でも旧群馬町と言われる地域にあります。近くには大型商業施設があるため、若い世代が流入しつつも、昔からの住民が地域のつながりを大切にしている町です。

 当事業所は、看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)として、「病気や認知症がありながらも、住み慣れた自宅やなじみの地域で暮らしていきたい」という思いを叶える支援をしています。

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開発に至った背景

 皆さんの訪問看護ステーションでは、尿道留置カテーテルを挿入している利用者はどれくらいいますか。調査によって多少異なりますが、訪問看護ステーション利用者の約1割程度の方が尿道留置カテーテルを挿入しているというデータがあります*1。しかし、カテーテル長期留置者への対応に焦点を当てた教材や研修会などは限られ*2、それらの力を体系的に身に付ける機会は決して多くはありません。

 尿道留置カテーテルは挿入自体が感染源となることから、米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)は、尿路感染症の中でも特に、「カテーテル関連尿路感染症(Catheter-associated urinary tract infection:CAUTI)」を別にしてガイドラインを設けています。さらに、訪問看護ではより一層リスクが高く、トラブルの原因となっています。

連載 まちケアプロジェクト探訪記・第1回【新連載】

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 在宅療養生活を俯瞰して見ると、その人の居宅だけがぽつんとあるのではなく、必ずその周囲に〈まち〉が存在し、その人の生活や生き方に影響を与えています。そのことに目を向け、〈まち〉そのものがケアの機能を持つことに可能性を見出して、既存の枠組みにとらわれずに活動する専門職が増えてきました。

 本連載では、〈まち〉で行われている〈ケア〉の活動を〈プロジェクト〉と捉え、始める・続ける・うまくいくポイントを実際の事例から学んでいきます。インタビューを通して活動のプロセスと壁の乗り越え方を可視化し、人材・お金・情報・デザイン・制度・しくみなど、活動のキモとなった要素を掘り下げます。コロナ禍で活動するコツももちろんチェック。自分の活動の参考に、連携先探しに、きっとヒントが見つかります。

 第1回の今回は、インタビューや取材先選びにご協力いただくナビゲーターの3人に、地域での活動や、本連載で注目していくポイントについてお聞きしました。

連載 在宅ケア もっとやさしく、もっと自由に!・140

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 コロナ禍の影響は、さまざまな形で現れていますね。巣ごもり需要により書籍が売れたといった話も聞きますし、家庭内で映画を視聴したり、動画で演劇や音楽会を鑑賞したりといった楽しみ方が普及したという話も耳にします。

 一方で、各種のコンテンツの制作側は状況の変化に応じ、さまざまな努力を重ねているようです。テレビドラマや映画といった映像作品も、これまでのようには撮影できず、製作期間が延びたり、公開時期に変更を余儀なくされたりといったことが度々起こっているのだと聞きました。

連載 訪問看護師のための判断力トレーニング・5

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 前回は、訪問看護師の判断が導かれる思考サイクルの3つ目、「Step❸:考えを言葉にできる力」について紹介しました。些細な気づきから対話を積み重ね、療養者の身体の声(症状)を明確にし、予測したことを伝えるところまで解説しました。

 今回は、訪問看護師自身と他者の価値観を区別し、その人の力を信じて待つ「Step❹:余計なことをしすぎない力」について(図1)、事例を用いて解説していきたいと思います。

連載 往復郵便・第2回

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 頭木さん、はじめまして。『食べることと出すこと』(医学書院)の書評を読んでいただき、ありがとうございます。そのお返事が届くというめったにないことが起き、ちょっと舞い上がっています。それが頭木さんと往復書簡ならぬ「往復郵便」として動き出しました。今年は「うん」がついていい年になりそう。

レポート こちら現場からお届けします!・第11回

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 2019年秋。「映画製作のために在宅医療の取材がしたい」。きっかけは映画プロデューサーからの電話でした。

 私は栃木県下野市の小さな診療所で在宅医をしています。皆さんと同様に24時間追われる毎日ですが、ひょんなことから違う業界の違う現場にお邪魔することになりました。過去に映画『ピア——まちをつなぐもの』の医療指導に関わった経験もあったので、勇気を出して別世界に飛び込んでみました。

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 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、新しい技術を医療に応用するための取り組みが世間を賑わせています。例えば、オンライン診療もその1つです。

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正午の不思議な儀式

「いたっ、だきっ、まぁぁ〜っす!」

——火曜日の正午、その儀式は始まります。

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目次

今月の5冊

おすすめ映画情報

Information 学会・研究会情報

バックナンバー・年間購読のご案内

次号予告・編集後記 米沢 , 小池
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特集のテーマは尿道カテーテル管理を学び直すことでした。樋口さんや佐藤さんの事例のように、皆が正解だと思った判断や、何年も正解だと思っていた方法が、思わぬきっかけでがらりと変わることも。「今、そのとき、その人にとっての最適と希望」を見出だしていけるかは、本当に訪問看護師さんや施設の看護師さんの捉え方にかかっているなぁと感じました。トラブルが多いからこその技と勇気、腹のくくらせ方?を、あらためて学びました。……米沢

今月号は映画に関する記事がいくつかあります(……「意図して」と言えれば格好いいのですが、偶然の産物)。それらの映画のうち、『いのちの停車場』を試写会で拝見いたしました。こちらは皆さんにもぜひご覧いただきたいです。素敵な映画だからというのはもちろんですが、本音を言うと、鑑賞した在宅ケア関係者の方たちの感想もたまらなく面白くて、皆さんがどう感じたのか、何を考えたのかも聞きたいからです。すでに聞いた範囲でも「なるほどなあ」と思うものばかり。実践者はとても深く細かく、作中の看護師のひと言を受け止め、医療者の立ち振舞いを見ているのだなと気付かれます。そんなわけで、皆さんにもご覧いただいて、あれやこれやと話したいのです。ぜひぜひ。……小池

基本情報

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訪問看護と介護
26巻5号 (2021年5月)
電子版ISSN:1882-143X 印刷版ISSN:1341-7045 医学書院

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