訪問看護と介護 21巻5号 (2016年5月)

特集 日本版ビュートゾルフ始動!

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オランダで急速な発展を遂げた在宅ケア組織「ビュートゾルフ」は、医療・介護が統合された切れ目ないケア、本人と地域の力を引き出す支援、自律した専門職によるフラットな組織運営などで、地域包括ケアシステム構築に向けた理想的なあり方として注目を浴び続けています。そのビュートゾルフが、ついに日本でも始動します。

特徴は、「ビュートゾルフ」という1つの組織ではないということ。ビュートゾルフのマインドとノウハウに学びながらも、それぞれの組織が自分たちの問題意識をだいじにして、地域の課題に向き合い、独自に活動するのが「日本版ビュートゾルフ」。それぞれの思いと、それらが及ぼす相互作用、そして地域包括ケアシステムにもたらすイノベーションについて語っていただきます。

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「ご近所ケア」であらゆる層の住民を対象に

 Neighborhood Careは、2015年7月に新設された法人です。設立の直接的な目的は、ビュートゾルフ柏を運営するためです。法人名のNeighborhood Careを日本語にすると「ご近所ケア」、これをオランダ語にすればBuurtzorg(ビュートゾルフ)です。

 事業内容としては、現在は訪問看護事業のみを行なっていますが、そのときどきで地域に必要なものは何か、と既成概念なく考えていくのがビュートゾルフ的な実践のあり方だと思っているので、将来に向けては他の事業も行なうことがおおいに想定されます。

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自分のやりたい在宅看護ができるステーションをつくりたい

 私たちは、2015年12月、東京都練馬区に訪問看護ステーション、ビュートゾルフ練馬富士見台(以下、当ステーション)を開設しました。オープンしてまだ4か月ですが、本稿では、私がなぜ、当ステーションをつくろうと思ったのか、そしてできるまでをふり返ってみたいと思います。

 私は12年前に看護師になり、脳神経外科や、一般外科などを経て、訪問入浴を経験したことから在宅看護に興味がわきました。1対1で関わる看護ができるという魅力から訪問看護師となって、3年経ちました。

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 スターメッドグループ(以下、当社)は2006年7月に東京都新宿区にて創業し、同区で24時間託児所キッズパラダイスを運営して、今年で10年目になります。

 現在、月極保育は登録利用者月間30〜40名、一時保育は登録利用者月間100名前後です。また、3年前から都心を中心に神奈川、千葉、埼玉でベビーシッター事業、介護・保育の人材派遣および紹介事業も展開しています。

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私たちがめざしていることとビュートゾルフは……

 堀田聰子さんのご案内で、ビュートゾルフを率いるヨス氏が、東京・市ヶ谷の白十字訪問看護ステーション(以下、当ステーション)に現れたのは、2011年1月だったと記憶しています。あれから5年あまり、こんなに短い間に、オランダの在宅ケア組織が、日本でこれほど注目されることになるとは思いもよりませんでした。

 初めは、訪問看護の現場を見たいという同行訪問の希望でお越しになったのです。そこで、まずは都会型の訪問看護や当ステーションの現状を、映像を交えてお話ししました。すると、オランダで試みられているコミュニティナース=地域看護師の活動と共通したものが、私たちが行なっている訪問看護にあると、ヨス氏と意気投合したことが、昨日のことのように思い起こされます。

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「日本版ビュートゾルフ」はゆるやかな理念共同体

——本号の特集は「日本版ビュートゾルフ始動!」です。以前の特集(「Buurtzorgとの邂逅-何を学び、どう活かすか」、2014年6月号)では、日本の実践者はビュートゾルフからどんなヒントを得て、どう実践に活かそうと考えたのかを見ました。今号は、日本でより具体的になってきた取り組みを追いたいと考えています。

 今回特集のなかで執筆されている方々は、ビュートゾルフ(図)という名称を使用する契約を結んだ方々です。「日本版ビュートゾルフ」というと、読者の皆さんはこうしたビュートゾルフの看板を掲げた事業所のことを指すと思われるかもしれません。

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アジアの高齢者に質の高い在宅ケアを届けたい

 Buurtzorg Neighbourhood Care Asia(以下、ビュートゾルフアジア)は、優れた在宅ケアを提供し、アジアの在宅高齢者の生活をよりよいものにすることを目的として、2014年に設立されました。

 私たちのミッションは、オランダのビュートゾルフモデルから生まれたベストプラクティスをもとに、地域密着型で、統合された、患者中心の質の高い在宅ケアを、尊厳と尊敬の念をもって提供することです。また、高齢者ケアに携わるアジアの看護師たちのために、成長と発展に向けたプラットフォームの構築に尽力することです。

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日本では、複数の団体が「Buurtzorg」(以下、ビュートゾルフ)のマインドとそれぞれの取り組みを共有して活動しています。この日本版ビュートゾルフの取り組みが、ケアや地域、さらに看護師のあり方や働き方にどのような変革をもたらすのか?

すでに活動を始めている訪問看護師、そしてそれを支援するそれぞれの立場からお話ししていただきました。

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ドイツでサッカー選手・指導者として研鑽を積み、後年Jリーグのチームでゼネラルマネジャー(以下、GM)を務めた祖母井(うばがい)秀隆さん。現在、社会福祉法人鶴心会の企画部長として地域を元気にするべく活躍している。親交の深い岡田慎一郎さんが祖母井さんと同法人理事長の三好敏弘さんに地域おこしや社会福祉に対する思いを聞いた。

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 2016年2月13日(土)、東京都看護協会で、東京訪問看護ステーション協議会主催の研修「訪問看護の可能性は∞(無限)—先駆的な取り組みをしている方のリレートーク」が行なわれた。今回発表された3事業所は、現在の診療報酬の枠にとらわれず、訪問看護の新しい存在意義を創造し地域社会へ積極的に貢献するという、新たな動きをみせていた。

カラーグラフ 終える命 つなぐいのち・第14回

内に高まるエネルギー 國森 康弘
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※本連載は、本文のみ無料でお読みいただけます。

 写真は、冊子版でのみご覧いただけます。

 アール・ブリュット。「生の芸術」を意味するフランス語で、障がいのある人たちがつくる芸術作品のことだ。幾千ものとげの先にまで1本1本深い息遣いを感じさせ、その集合体が、見る者の心に鎮座する陶土。1頭の動物のなかに無数の有機物が共生し、うごめく絵画。どこまでも細かく、緻密で、規則正しいリズムのなかに、時に荒れ狂う心情まで写し込む切り絵……。表現者として、負ける。

 内に宿した、すさまじいまでの命のほとばしりが、噴き出し、ぶちまかれ、作品を産み落とす。このエネルギーは、看取りの取材を始めて、とくに感じるようになった。それ以前の筆者は「死が近づくほど、あるいは老いや病、障がいが重くなるほど、できることがどんどん少なくなって、弱り果てて、朽ちていく」と思い込んでいた。

連載 在宅ケア もっとやさしく、もっと自由に!・80

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 検査入院中の60代のIさん。身体の運動機能が衰えていき、寝返りすらできにくくなり、「このままでは動かなくなる身体をもて余しながら、死ぬのを待つばかり。どうせ死ぬなら家がいいので、頼める先を探してきてほしい」。息子にそう思いを託したIさんに面会に行き、つい訪問看護師になってしまい、排便ケアや褥瘡予防ケアをした経緯を前号で紹介しました。

連載 どう読む!? 在宅医療・看護・介護政策・第5回

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 2015年10月に「特定行為に係る看護師の研修制度」が施行された。看護師が、医師の判断を待たずに、事前指示である手順書によって「特定行為」とされる難易度の高い行為を行なえるようにするための研修のしくみである。2025年に向けて在宅医療などの充実が課題となるなかで、厚生労働省は研修を修了した看護師を10万人養成することをめざしている。

連載 「介護」「看病」は“泣き笑い” ウチの場合はこうなんです!・第62回

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杏里 介護仲間の結婚式に招待されて、介護と育児を担うダブルケア仲間と久々に会って、いろんな話ができたんだ。

母さん どんな話をしたの?

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今月の5冊

ニュース—看護と介護のこのひと月

Information 学会・研究会情報

バックナンバーのご案内

次号予告・編集後記 小池 , 小林
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はじめまして。今号より小誌の担当となりました小池です。以前は、『週刊医学界新聞』(……ご存知でしょうか?)を担当しておりました。多領域を扱う同紙担当時から、実は在宅医療・ケアの世界がどうにも気になっていました。みなさんのお話を伺う日を楽しみにしております。●今号はビュートゾルフ特集の第2弾。「ビュートゾルフは、何を行なうかで規定されている組織ではない。何が必要かを考え続け、実践していく組織である」。取材中に伺った感銘を受けた一言で、思わず唸ってしまいました。私も必要なものを考え続け、雑誌という形にしていかなければと使命感(?)を燃やしています。…小池

巻頭の「ケアのヒュッテ」の取材中、社会福祉法人鶴心会理事長の三好さんが、まちのなかで地域の方と声をかけあって気楽に話す場面に出合いました。そのフラットな対話の様子は、まさにご近所さん同士。ただ、このような会話のなかから支援が必要な方の情報や、地域の課題・解決策も出てくるのだと言います。これを見てビュートゾルフのマインドは、地域との関係性にも広がり得るもので、まちづくりにつながるものであるということを得心しました。…小林

基本情報

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訪問看護と介護
21巻5号 (2016年5月)
電子版ISSN:1882-143X 印刷版ISSN:1341-7045 医学書院

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