目的:整形外科疾患でも偶発悪性腫瘍に遭遇することがあり,その頻度を調査した.
対象と方法:当科で施行した初回人工股関節全置換術(THA),人工膝関節全置換術(TKA)の計1,045例に対し,全例に術前,術後1週に下肢静脈超音波検査を実施した.血栓が疑われた症例に対して,胸部から下肢までの造影CTを行い,読影レポートで血栓が認められた症例と,悪性腫瘍が疑われた症例を調査した.
結果:造影CTで血栓を認めた98例中,実際に悪性腫瘍であったのは2例2.0%であった.
まとめ:静脈血栓症の背景に悪性腫瘍が隠れている可能性があり,CTの結果に注意が必要である.