胃と腸 30巻6号 (1995年5月)

今月の主題 粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌

序説

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 胃癌は上皮性腫瘍であり,粘膜固有層内から発生し,粘膜の側面方向へ向かって発育する.したがって,粘膜下腫瘍の形態を示すことはまれであり,本来であればどこかに粘膜内病変の存在を示唆する異常所見(側方浸潤による粘膜の破壊像)を有しているはずである.逆に病巣が非癌性粘膜で完全に覆われていれば,むしろ非上皮性腫瘍や転移性腫瘍を考慮すべきと教えられている.しかし,癌はあらゆる形質を発現する可能性を有しており,極論すればどのような形質をもとりうるのである。大切なことは,“まれな形態の癌である”として片づけてしまうのではなく,通常とは異なる形態をとる場合には,通常とは異なる形質の発現として捉え,その特性を探求する姿勢であろうと思われる.

 原発性の上皮性腫瘍でありながら非上皮性腫瘍の形態をとることの説明は,組織発生の場で詳しく論じられるものと思われるが,単純に思い浮かぶのは,胃の扁平上皮癌や類腺癌などのような深部浸潤の優勢な癌の存在である.しかし,これらが粘膜下腫瘍の形態をとることは極めてまれであり,通常は粘膜下膨隆像に決壊した局面を有する腫瘍像としてみられるのである.すなわち,胃癌が粘膜下腫瘍の形態を示すには,深部浸潤した癌細胞そのものが腫瘤像を形成するのではなく,何らかの機転が加わることが必要なのである.

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要旨 粘膜下腫瘍様形態を示した胃癌(SMT様癌)について臨床病理学的・組織学的な検討を行い,その特徴を粘膜下腫瘍(SMT)と対比して検討し,更に文献的な検討を行った.その結果,SMT様癌は,組織学的に,①por1(endocrine cell carcinomaを含む)とcarcinoma with lymphoid stromaの群,②組織型にかかわらずリンパ球浸潤の強い群,③癌巣周辺に限局した線維化を認める群,④粘液癌,⑤粘膜下異所性腺からの発生が考えられる群,⑥その他,に分類できた.またSMT様癌の成り立ちは,腫瘍自体が粘膜下で膨張性に増殖する型と,腫瘍周辺の反応性変化のために膨張性の病変となるものに分類できた.SMT様癌は,SMTと比較して,占居部位はA領域に多く,高さが低く,隆起の基部が不整で,陥凹面が大きく不整で浅いものが多く,比較的深いものでは内掘れ傾向があるものが多かった.

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要旨 粘膜下腫瘍の形態を示した低分化腺癌の2例,膠様腺癌の1例,リンパ球浸潤性髄様癌の2例を挙げ,主にこれらの症例のX線所見について述べた。報告症例と照らし合わせてみても,呈示した症例はこれらの症例にみられる特徴的な所見を備えていた.低分化腺癌の充実型では,クラーテルの形,辺縁の不整,硬さ,また周堤,腫瘍の形のいびつさ,硬さ,表面の凹凸不整から悪性リンパ腫との鑑別が可能である.膠様腺癌では柔らかな腫瘍の表面に浅い陥凹がみられ,その描出,診断に難しさがある.リンパ球浸潤性髄様癌では,硬い感じのする腫瘤の表面に浅い不整陥凹がみられた.また,腫瘤と陥凹に位置的なずれが認められた.これらの症例では,腫瘤の形,表面の性状,またX線的な硬さ,そして陥凹の形,硬さ,またその辺縁の微細な不整さを描出するとX線診断上,胃癌の診断が可能である.

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要旨 粘膜下腫瘍(SMT)様所見を示した胃癌をX線診断の立場から検討した.①胃癌2,816例(1982~1991年)に対する頻度は7例(O.25%)であった.②早期癌3例,進行癌4例であった.癌組織型は管状腺癌(中分化型)2例と低分化腺癌5例(非充実型2例,充実型3例)であった.管状腺癌(中分化型2例)と低分化腺癌(充実型3例)の5例は,粘膜下層浸潤部に中等度~高度なリンパ球増生を伴っていた.③組織割面所見とX線診断の検討結果は以下のごとくであった.Type1(2例):明らかな潰瘍形成がないもので,特殊な粘膜下進展を示し,悪性リンパ腫の早期隆起型との鑑別が極めて困難であった.他の1例は管状腺癌で中間帯領域に存在し,SMTとの鑑別は困難であった.Type2(3例):潰瘍部が隆起部より明らかに小さいものは,ニッシェの形が不整で陰影に濃淡の差が認められ,胃癌の診断は容易であった。Type3(2例):隆起部より潰瘍部が大きいものは,いずれも幽門部後壁に存在し,正面像では悪性リンパ腫の潰瘍限局型との鑑別は困難であった.他部位では側面像が参考になると思われた.④7例中1例は追跡調査ができなかったが,3年以内死亡1例,5年生存3例(最長10年6か月),他の2例は3年6か月生存中である.

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要旨 1985年から1994年の10年間に当センターで内視鏡的粘膜切除術あるいは外科手術が施行された胃癌(2,786例)のうち,病変の辺縁が“粘膜下腫瘍様”と形容された胃癌16例を検討した.そのうち,癌の粘膜内露出部分が10%以内であるような粘膜下腫瘍の形態を示す胃癌は3例のみであり,内視鏡的に腫瘍全体の形態が粘膜下腫瘍と言えるものは,1989年9月に本誌においてわれわれが報告した1例1)のみであった.したがって,今回の主題のような胃癌が極めてまれであることが確認された.粘膜下腫瘍様とされる胃癌の多くは,粘膜下層以下での癌組織形態が未分化型癌を呈しており(68.8%),粘膜下層以下における組織形態が粘膜下腫瘍様と診断されるうえで重要と考えられた.更に,粘膜下腫瘍様形態を呈するとされる表面型起源広基性大腸sm癌との比較から,粘膜下腫瘍様形態を呈するうえで,癌の発生早期に粘膜筋板を破る必要があり,そのためには,深部浸潤傾向の強い癌が粘膜筋板の薄い箇所に発生する必要があると考えられた.

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要旨 粘膜下腫瘍の形態を呈した胃癌は10例で,切除単発胃癌の0.53%と非常にまれであった.その臨床病理学的特徴をみると,C・M領域に多く,組織型は高分化型管状腺癌,低分化腺癌の両極に分かれた.特に低分化腺癌は髄様型でlymphoid stromaを伴う傾向が強かった.内視鏡的には腫瘍中央部から偏位して存在する不整発赤,血管透見像の不整を見つけ出すことが癌の診断に重要であった.また,粘膜面の癌露出が少ないうえに,構造,細胞異型に乏しいものが存在し,生検診断に注意を要した.更に進展度診断にEUSは有用であった.

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要旨 粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌の超音波内視鏡(EUS)所見について検討した.①粘膜下腫瘍の形態を示すスキルス型胃癌は第3,4層の肥厚を認めスキルス型癌の典型像を示す.②粘膜下腫瘍の形態を示す胃膠様腺癌は第3層に境界明瞭なやや高エコーの腫瘍を認め,迷入膵,脂肪腫との鑑別が可能である.③粘膜下腫瘍の形態を示すlymphoid stromaを伴う胃癌は第3層に境界明瞭な均一低エコーの腫瘤像として認められ,カルチノイド,悪性リンパ腫との鑑別が困難である.④粘膜下囊胞と併存した胃癌は腫瘍の直下の第3層に境界明瞭で類円形の無エコー域を認める.⑤いわゆる粘膜下腫瘍と粘膜下腫瘍の形態を示す胃癌の鑑別診断においてEUSは有用な情報を提供できる.

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要旨 胃リンパ球浸潤性髄様癌(medullary carcinoma with lymphocytic infiltration; MCLI)は,分化度の低い癌細胞の髄様増殖と間質における著明なリンパ球浸潤を特徴とする特異な組織型であり,進行癌であっても極めて良好な術後経過をとることは,本疾患の術前診断や術後経過観察を含めた臨床的取り扱いを考えるうえで重要である.このような観点から本研究では,30例の胃MCLI症例(早期癌7例,進行癌23例)を腫瘍の肉眼型に着目して検討し,その組織形態学的概念と臨床(肉眼)診断との接点について考察した.胃MCLIの典型的肉眼像は,早期癌ではⅡa+Ⅱc型,進行癌ではBorrmann2型に代表される境界明瞭な潰瘍形成性限局型腫瘍であった.このような特徴のほかに,2例の早期癌と10例の進行癌の肉眼所見は分類不能型と判定された.この12例のうち,早期癌2例と進行癌7例の原発腫瘍は,悪性リンパ腫の潰瘍型ないしは決壊型の肉眼所見と類似していた.また3例の進行癌は,粘膜下腫瘍に極めて類似した肉眼所見を呈していた.腫瘍の肉眼型と好発部位,組織学的諸因子,浸潤リンパ球のsubpopulation,リンパ節転移や予後との間には特定の関係は認められなかった.胃MCLI症例は進行癌であっても極めて良好な術後経過を示し,再発死亡した4例はいずれも漿膜に浸潤し,リンパ節転移を伴う高度進行癌であった.胃MCLIの特異的な肉眼像と極めて良好な術後生存率を考慮すると,治療前(術前)診断が本疾患の臨床的取り扱いに際して重要であり,超音波内視鏡検査やjumbo biopsyは有用な補助手段であると考えられた.

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要旨 患者は62歳,男性.胃集団検診で異常を指摘され当科受診し,上部消化管内視鏡検査で,胃幽門輪近傍小彎に約10mm大の粘膜下腫瘍様発赤調隆起が指摘された.同病変の生検組織から,粘膜固有層内に充実性膨張性に発育する印環細胞癌が認められ,その表層は正常上皮で覆われていた.病変は肉眼形態から粘膜内癌と診断されたため,病変を内視鏡的粘膜切除術で切除した.切除標本の病理組織学的検討の結果,癌部は6×4mm大,深達度は粘膜内,切除断端は癌陰性で,脈管侵襲は認めなかった.完全切除しえたことを確認できたため,以後経過観察し,現在まで1年6か月経過しているが再発は認められていない.

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要旨 患者は79歳,男性.タール便を主訴に受診.胃X線および内視鏡検査で,前庭部小彎に不整陥凹を伴う粘膜下腫瘍と診断された.陥凹部の生検では診断はつかなかったが,同時に発見されたS状結腸癌のためS状結腸切除術を施行した.胃粘膜下腫瘍に対してはまず腫瘍を摘出し,術中迅速病理診断で膠様腺癌と診断されたため,胃亜全摘術が施行された.病理組織学的には,胃癌細胞は粘膜下層までに限局し,正常粘膜を下から押し上げる形で増殖していた.粘膜下腫瘍様形態を示す早期胃膠様腺癌は非常にまれな疾患であり,本邦報告例は8例のみである.組織学的特徴を反映した特異的な発育形態と診断・治療について考察を加え検討した.

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要旨 胃底腺粘膜領域にみられた粘膜下腫瘍様病変を内視鏡的にポリペクトミーした.術前は胃底腺ポリープ,あるいは小さな平滑筋腫などの粘膜下腫瘍との鑑別は困難であったが,組織学的には粘膜下層に発育し異所性粘膜に発生した高分化型腺癌であった.しかしこれは粘膜筋板を伴う固有粘膜が粘膜下層に反転(invert)し,その粘膜内にのみみられた早期癌と考えられた.

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要旨 胃穹窿部に粘膜下腫瘍の形態を呈した胃癌を経験したので報告する.患者は39歳,男性.主訴は心窩部不快感.胃X線検査と内視鏡検査で,胃穹窿部大彎に多発性の小さな潰瘍性病変とbridging foldを伴った粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.生検組織診断でGroupⅤ,低分化腺癌と診断された.手術切除標本では穹窿部大彎に大きさ42×40mmで多発する陥凹性変化を伴った隆起を認めた.隆起性病変の主な部位では粘膜下層で充実性の増殖を示し,正常粘膜を下から持ち上げている.癌細胞は低分化腺癌の形をとり,粘膜下層から固有筋層に充実性に浸潤し,一部で深達度ssβであり,ly2,V1でリンパ節転移は陰性(0/18)であった.

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要旨 患者は42歳の男性で自覚症状はない。会社の検診で胃前庭部大彎前壁に約18mm大の隆起性病変を発見され,その後の内視鏡検査および生検で良性の粘膜下腫瘍と診断された.以後4年間にわたり経過観察されたが,次第に増大し径35mmとなり,中央陥凹が出現したため当院紹介入院となった.入院後の生検で悪性所見が得られず,ボーリング生検でも同様であった.超音波内視鏡検査で粘膜下に主座を有する病変であった.悪性の確診を得られなかったが,急速な増大を示すことと中央陥凹を認めることから,臨床的に悪性と判断して幽門側胃切除D2郭清術BI吻合を施行した.病理組織学的に正常粘膜と鑑別が困難なほど分化した表面構造を持つ高分化型腺癌〔sm,n(-),H0,P0,M0,ly2,v0,stage Ⅰa〕であった.

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 〔患者〕38歳,女性.30歳時に当院婦人科で子宮内膜症を指摘され,33歳時に卵巣囊腫摘出術,35歳時に子宮筋腫摘出術をうけている.1989年から月経時に血便を認めるようになり当科を受診.注腸造影および大腸内視鏡検査を施行したところ,直腸~S状結腸移行部に粘膜下腫瘍様隆起を認めた.子宮内膜症の既往および臨床経過から腸管子宮内膜症と考え経過観察を行った.1990年12月から5か月間ホルモン療法を施行したが,粘膜下腫瘍様隆起は増大傾向を認めたため,1992年10月に外科手術のため入院となった.人院時身体所見では,下腹部正中に手術創を認めたほかは著変なく,検査所見でも便潜血反応は陰性で,CEA,CA19-9などの腫瘍マーカーの上昇も認めなかった.

 〔注腸造影所見〕1992年8月に施行した注腸造影所見では,腹臥位充盈像で直腸~S状結腸移行部を中心とした偏側性の伸展不良所見を認め,同部は蛇腹状の辺縁不整を呈していた(Fig.1).二重造影所見では,充盈像で伸展不良を呈した部位に,約5cmにわたり管腔の1/2周を占める隆起性病変を認めた.隆起の表面は平滑であり,周囲から皺襞の集中像が認められた(Fig.2).左側面像でも,辺縁不整な伸展不良所見を認めるが,粘膜表面に明らかな潰瘍,びらんなどは指摘できなかった(Fig.3).

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 〔患者〕68歳,女性.1986年に心窩部痛で当科を受診.胸部中部食道の粘膜下腫瘍(9×3mm)を指摘され経過観察中であった.1992年7月のX線・内視鏡検査で腫瘍の増大を認めたため,精査加療目的で入院した.

 〔食道X線所見〕食道立位第1斜位二重造影像(Fig.1a)では,気管分岐部直下の胸部中部食道(Im)に憩室(白矢印)に隣接して12×7mmの楕円形の隆起性病変(黒矢印)が観察された.隆起性病変の境界は明瞭で,表面性状は平滑であった.側面像(Fig.1b)では,なだらかな立ち上がりを呈し,側面変形はみられなかった(黒矢印).

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要旨 家族性大腸腺腫症26例の切除標本を実体顕微鏡下に観察し,任意に抽出した長径2mm以下の隆起型および陥凹型の微小大腸腺腫各100病変を系統的に観察した.一般に,陥凹型腺腫では1mm未満の病変は水平方向の発育を示したが,1mm以上の病変では隆起として捉えられるものが増加し,更に隆起型への移行像と考えられる病変も観察された.しかし,1mm以上でも著明な陥凹を示す特殊な腺腫もごくまれに存在していた.形態計測の結果から,絶対的陥凹は長径1mm未満の陥凹型腺腫では74%(23/31)と高率にみられたのに対し,1mm以上では22%(15/69)と低率であり,また粘膜筋板の隆起所見は1.0~1.5mmを超える病変で認められた.これらのことから,一般に微小陥凹型腺腫は徐々に通常の隆起型腺腫に移行すると考えられた.しかし,ごく一部のものは,比較的大型の陥凹型腺腫に成りうることが示唆された.

レベルアップ講座 診断困難例から消化管診断学のあり方を問う

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(症例)患者は72歳,男性.新鮮血下血を主訴に近医受診し,注腸X線検査およびS状結腸内視鏡検査で,大腸ポリープを指摘され,大腸ポリペクトミー目的で,1992年11月6日当院内科に紹介となった.

 近医での注腸X線検査では,直腸にⅠ型隆起とS状・下行結腸にポリープを指摘されたのみであった(Fig.la,b).内視鏡検査前の読影でも下行結腸の壁変形は一応チェックしたものの確診できず,注意は主に直腸の隆起性病変に向けられ,患者にも下行結腸の病変については伝えなかった.

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欧文目次

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 1975年に本書の第1版が出版され,改版が繰り返されて,今回(1994年)第4版が改訂出版された.このことは,この本がいかに多くの医学関係者に読まれたかを物語っており,内容が優れたものであることを証明している.

 この書評を書く直前も,私の病棟回診中に下腹部痛を訴える患者がいて,診察の結果,腹部単純X線写真を撮るように指示し,イレウスが発見された.そして本書を取り出し,消化管ガス像の異常の項に目を通し,知識を整理するうえで大変役に立った.

「胃と腸」質問箱 多田 正大
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腸型Behçetの診断基準

(質問) 日本の腸型Behçet病の診断基準を教えてください.また完全型Behçet病において,消化器症状が顕著である場合,これを腸型Behçet病と呼ぶのでしょうか,完全型Behçet病と呼ぶのでしょうか?

(カトリック医科大学消化器内科/聖母慈愛病院内科) 崔 圭鎔(韓国)

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 Low prevalence of Helicobacter Pylori in inflammatory bowel disease: Association with sulphasalazine, El-Omar E, Penman I, Cruikshank G, et al (Gut 35: 1385-1388, 1994)

 110例の炎症性腸疾患患者(潰瘍性大腸炎63例,Crohn病47例)と年齢,性を合わせた対照100例でHeticobacter Pylori(HP)のIgG抗体を測定し,比較検討した.IBD患者でのHP抗体陽性率は22%で,対照群の52%に比べ著しく低かった.

編集後記 石黒 信吾
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 本号の主題として取り上げられた“粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌”は,まれな症例とされながらも,従来から多くの症例報告がある.しかしながら,各人が漠然とした印象を持っているものの,症例をまとめ,正面から検討されることは少なかった.今回の各著者らの検討で,どのような組織型の症例が多いか,あるいは悪性リンパ腫・カルチノイド腫瘍・間葉系の粘膜下腫瘍との基本的な鑑別点が,ある程度明瞭になったものと思われる.

基本情報

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胃と腸
30巻6号 (1995年5月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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