Japanese
English
今月の症例
1.腸管子宮内膜症の1切除例
I. Intestinal Endometriosis, Report of a Case
小林 清典
1
,
五十嵐 正広
1
,
勝又 伴栄
1
,
西元寺 克禮
1
,
大谷 剛正
2
,
三富 弘之
3
Kiyonori Kobayashi
1
1北里大学東病院消化器内科
2北里大学東病院外科
3北里大学東病院病理
pp.732-733
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105420
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〔患者〕38歳,女性.30歳時に当院婦人科で子宮内膜症を指摘され,33歳時に卵巣囊腫摘出術,35歳時に子宮筋腫摘出術をうけている.1989年から月経時に血便を認めるようになり当科を受診.注腸造影および大腸内視鏡検査を施行したところ,直腸~S状結腸移行部に粘膜下腫瘍様隆起を認めた.子宮内膜症の既往および臨床経過から腸管子宮内膜症と考え経過観察を行った.1990年12月から5か月間ホルモン療法を施行したが,粘膜下腫瘍様隆起は増大傾向を認めたため,1992年10月に外科手術のため入院となった.人院時身体所見では,下腹部正中に手術創を認めたほかは著変なく,検査所見でも便潜血反応は陰性で,CEA,CA19-9などの腫瘍マーカーの上昇も認めなかった.
〔注腸造影所見〕1992年8月に施行した注腸造影所見では,腹臥位充盈像で直腸~S状結腸移行部を中心とした偏側性の伸展不良所見を認め,同部は蛇腹状の辺縁不整を呈していた(Fig. 1).二重造影所見では,充盈像で伸展不良を呈した部位に,約5cmにわたり管腔の1/2周を占める隆起性病変を認めた.隆起の表面は平滑であり,周囲から皺襞の集中像が認められた(Fig. 2).左側面像でも,辺縁不整な伸展不良所見を認めるが,粘膜表面に明らかな潰瘍,びらんなどは指摘できなかった(Fig. 3).
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