レベルアップ講座 診断困難例から消化管診断学のあり方を問う
注腸X線検査で見逃されたⅡc+Ⅱa型sm癌の1例
丸山 雅一
1
1癌研究会附属病院内科
pp.842-844
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105439
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(症例)患者は72歳,男性.新鮮血下血を主訴に近医受診し,注腸X線検査およびS状結腸内視鏡検査で,大腸ポリープを指摘され,大腸ポリペクトミー目的で,1992年11月6日当院内科に紹介となった.
近医での注腸X線検査では,直腸にⅠ型隆起とS状・下行結腸にポリープを指摘されたのみであった(Fig. la,b).内視鏡検査前の読影でも下行結腸の壁変形は一応チェックしたものの確診できず,注意は主に直腸の隆起性病変に向けられ,患者にも下行結腸の病変については伝えなかった.
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