従来よりBorrmann 4型胃癌(特にscirrhus)を早期診断することは困難であったが,われわれは手術1年前にX線,内視鏡検査を施行したが確診を得られなかった,粗大雛襲を認める症例を経験したので報告する.
症 例
患 者:54歳,男,公務員.
主 訴:空腹時上腹部痛.
家族歴:長兄は胃癌にて死亡(45歳),次兄も胃癌にて死亡(50歳).
既往歴:左肺結核にて胸廓成形術(28歳時),高血圧症治療中.
現病歴:1972年胃集検にて要精検,千葉大学第1内科にてX線,内視鏡,生検施行したが異常なし.
1973年胃集検にて要精検,6月当センターにてX線にてポリープ疑および胃体部の粗大殿漿を指摘,胃カメラ施行ではポリープおよび粗大雛襲にて6カ月後経過検査を指示する.