Heymans, De Gastro, Schmidt, Comroeらによって,その解剖ないし生理学的研究成果が確定されたかに見られていた頸動脈小体が,最近構造,機能の面から新しい脚光をあびつつある。国外では,1968年Wates Foun—dation Sympsoium1)において近年の新知見が集積され,また最近Biscoe2)の——Carotid Body:Structure and Function——がPhysiological Reviews (Vol 51,No.3,1971)に掲載された。わが国では「呼吸と循環」18巻12号(1970)に斎藤十六氏3)が広汎なTopicsを整理して解説されている。この論文では,その後の発展についてBiscoeらの唱える「神経末端の化学受容器説」について,またComroe, Schmidt以来課題となっている頸動脈小体の換気における量的役割について考察することにしたい。