Japanese
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ジュニアコース
検査の限界(Ⅰ)スパイログラム
Clinical Assessment of Spirometry
横山 哲朗
1
Tetsuro Yokoyama
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Department of Medicine, Keio University
pp.139-143
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202353
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Ⅰ.臨床肺機能検査とスパイロメトリー
スパイロメトリーの限界を論ずるにあたって,まず,臨床肺機能検査におけるスパイロメトリーの位置づけを把握しておくことが必要であろう。
歴史的にみればHutchinsonの時代における肺活量の測定が今日の臨床肺機能検査のはじまりとも見倣すことができよう。わが国において呼吸器疾患としては肺結核が中心を占めていた,あるいは中心を占めていると信じられていた時代には肺活量の測定が最も手軽に行なえる臨床検査であり,また,それによってえられる情報で,ある程度診療のためには十分であった。戦中,戦後の時代までわが国における臨床肺機能検査といえば,肺活量測定が中心であり,せいぜい"呼吸停止時間"の測定が加味せられる程度であった。海老名の指数が肺結核手術の開拓期にいたるまで唯一といってもよいほど重要な指標であったことは周知のことである。事実拘束性障害を主とする肺結核に関する限りにおいては極めて妥当な現実であったと言うことができる。
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