medicina 53巻4号 (2016年4月)

増刊号 内科診断の道しるべ—その症候、どう診る どう考える

全身

発熱 野口 善令
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□バイタルサインに問題はないか.

□悪寒戦慄はないか.

□超緊急疾患を疑わせる症状所見はないか(表1).

□重要臓器不全(心不全,呼吸不全,腎不全,意識変容など)の病変はないか.

低体温 木村 健介
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□気道,呼吸,循環は保たれているか.

□低体温に陥った原因を同定できるか.

□見逃してはいけない疾患の可能性はないか(敗血症,脳血管障害,アルコール,薬剤など).

□低体温に対する復温方法を理解しておく.

□高次医療機関へ搬送する適応かどうか判断する.

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□本当に全身倦怠感なのか.

□労作時呼吸困難,筋力低下はないか.

□他の徴候(全身倦怠感+α)はないか.

肥満 浅原 哲子
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□体重,体脂肪率は測定したか.

□BMI・肥満度は? 高度肥満であるか.

□二次性肥満(内分泌性肥満や遺伝性肥満など),原発性肥満かを見分ける.

□糖尿病,脂質異常症,高血圧,脂肪肝,心血管疾患などの健康障害を伴う肥満症か.

□健康障害を伴いやすいハイリスク肥満,腹腔内脂肪型肥満か.

体重減少 山口 征啓
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□ダイエットをしているか.

□食欲はあるか.

□他に関連する症状はあるか.

食欲不振 徳田 安春
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□食事摂取低下の原因は食欲の低下か.

□食欲低下は急性か,慢性か.

□バイタルサインに問題はないか.

□外観に問題はないか.

□ROSに問題はないか.

脱水 川田 敦美 , 柴垣 有吾
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□バイタルサインに問題はないか.

□水分摂取量の低下はあるか,水分喪失源はあるか.

□電解質異常を伴うか.

□原疾患があるか.

□心不全,肝不全はあるか.

浮腫 藤田 芳郎
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□バイタルサインに問題はないか.

□全身性の浮腫か,局所的な浮腫か.

□見逃してはいけない疾患(アナフィラキシー,敗血症・トキシックショック症候群,特発性全身性毛細血管漏出症候群,深部静脈血栓症,壊死性筋膜炎,コンパートメント症候群)の可能性はないか.

□心不全,腎疾患,肝疾患はないか.

□甲状腺疾患はないか.

□薬剤性の可能性はないか.

リンパ節腫脹 伊豆津 宏二
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□本当にリンパ節腫脹なのか(唾液腺などの正常臓器,粉瘤,脂肪腫,鼠径ヘルニアなどの可能性はないか).

□リンパ節の性状(大きさ,可動性,圧痛の有無)と広がりはどうか.

□癌のリンパ節転移,感染症の可能性はないか.

□リンパ節の急速な増大がないか.

血圧異常 井上 美奈子 , 土橋 卓也
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□高血圧緊急症(加速型─悪性高血圧,脳症,急性期脳血管障害,急性大動脈解離,急性心不全,急性冠症候群)の可能性はないか.

□血圧の左右差はないか.起立性低血圧はないか.

□修正すべき生活習慣はないか(特に食塩摂取量の評価を行う).

□二次性高血圧(特に薬剤誘発性高血圧)の可能性はないか.

□高血圧性臓器障害や併存する心血管リスクはないか.

出血傾向 大森 司
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□出血傾向の既往や家族歴,出血の原因となる薬剤内服歴はあるか.

□出血の部位,その性状,緊急性はどうか.

□他の血球異常,リンパ節腫大,黄疸,脾腫があるか.

□肝疾患,播種性血管内凝固が存在するか.

□スクリーニング検査で血算,PT,APTT,フィブリノゲン,FDP(D-dimer)を測定したか.

貧血 赤星 佑 , 神田 善伸
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□出血がないか.

□出血がある場合は出血源検索を行う.

□白血球数,白血球分画,血小板数に異常はないか.

□赤血球指数(RI)を計算する.

□平均赤血球容積(MCV)で小球性,正球性,大球性に分類する.

ショック 山中 俊祐
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□5Pを見落とさず,ショック/プレショックの可能性がある患者を認識する.

□ショック4分類のどのタイプのショックかを正しく判別する.

□RUSHを行い,素早くthe pump,the tank,the pipesをチェックする.

意識障害 岩田 充永
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□収縮期圧は高血圧か,低血圧か.

□呼吸の異常はあるか.それはどのようなパターンを示しているか.

□低血糖はないか(血糖値の確認).

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チェックリスト

□目撃者はいたか.

□外傷,麻痺や後遺症はないか.

□意識消失は,一過性で突然発症し,短時間で自然回復しているか.

□本当に失神発作であったか(転倒・てんかんとの鑑別).

□心原性失神のハイリスク所見はないか.

痙攣 赤松 直樹 , 辻 貞俊
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□バイタルサインに問題はないか.

□痙攣重積状態でないか.

□急性症候性痙攣発作か,慢性疾患のてんかんか.

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□出生児から発育の記録となる母子手帳を入手する.

□周産期異常の有無を確認する.

□成長曲線を作成して成長障害の時期を考える.

□四肢体幹のバランスや外表奇形の有無を見る.

□代謝異常・栄養障害と二次性徴の有無を診る.

□適切な内分泌学的検査から病態を診断する.

□骨X線や下垂体部MRIから形態学的にも評価する.

皮膚

瘙痒感 赤坂 江美子
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□瘙痒以外の皮膚所見があるか.

□瘙痒の発症部位は,全身性か局所性か,継続時間は一時的か持続的か.

□見逃してはいけない疾患(アナフィラキシー,感染症)の可能性はないか.

□内臓疾患はないか.

□薬剤性の可能性はないか.

発疹 梅本 尚可 , 出光 俊郎
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□経過は急性か,慢性か?

□単発か,多発か?

□分布・配列は?

□かゆみは? 痛みは?

□発熱はあるか? 粘膜疹はあるか? リンパ節腫脹はあるか?

□薬剤投与歴はあるか?

皮膚色素異常 古村 南夫
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□皮膚のびまん性色素沈着か,限局性色素沈着か.

□露光部,生理的色素沈着部位,間擦部位,手掌紋理,四肢末端などの被刺激部位の色素増強があるか.

□結膜,爪甲および粘膜など,メラニン色素が通常みられない部位の色素沈着があるか.

□内科疾患を示唆する検査所見や,見逃してはいけない疾患はないか.

□色素沈着をきたしやすい薬剤は投与されていないか.

□薬剤性を示唆する色素沈着のパターンがあるか.

脱毛・多毛 伊藤 泰介
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□毛髪異常の部位はどこか.

□いつから発症しているのか.

□縮毛や脆弱性はないか.

□毛髪以外の症状(膠原病や内分泌異常,骨形成,顔貌異常など)はないか.

□合併症と内服薬はないか.

□精神的な問題はないか.

Raynaud症状 池田 高治
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□蒼白化・チアノーゼ・紅斑の順に起こる,三相性もしくは二相性変化が確認できるか.

□寒冷や情動などの誘発因子が確認できるか.

□病変部のしびれ,感覚異常,疼痛を伴うか.

□典型的な末梢部位に生じているか.

□可逆性か,持続時間はどうか.

□家族歴,職業歴,服薬中の薬剤.

爪の異常 東 禹彦
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□左右対側性にすべての爪に変化を生じているか.

□爪の色調の異常か,爪の形態の異常か,爪郭部の異常か.

□急速に生じたか,徐々に現れたか.

□進行中の病変か,過去の病変か.

黄疸 藤澤 信隆
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□見逃してはいけない疾患(急性肝不全や急性胆管炎)の可能性はないか.

□黄疸に随伴する症状や所見はないか.

□非抱合型ビリルビン優位の黄疸か,抱合型ビリルビン優位の黄疸か.

□肝疾患,胆膵疾患,血液疾患,心疾患,感染症,妊娠はないか.

□服用薬や飲酒歴はどうか.

チアノーゼ 松村 正巳
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□バイタルサインに問題はないか.

□中枢型チアノーゼと末梢型チアノーゼかを鑑別する.

□中枢型チアノーゼを疑えば,PaO2,PaCO2,SaO2を評価する.

□見逃してはいけない疾患(肺塞栓症,低換気,メトヘモグロビン血症,心拍出量低下,動脈閉塞)の可能性はないか.

□Raynaud現象であれば,基礎疾患はないか.

静脈怒張 小澤 廣記 , 山中 克郎
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□静脈怒張の原因部位はどこか.

□下肢静脈瘤による色素沈着・下腿潰瘍など,慢性静脈不全の徴候はないか.

□下肢静脈瘤は二次性(深部静脈閉塞など)ではないか.

□正しく圧迫療法を実践できるか.

くも状血管腫・手掌紅斑 石丸 裕康
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□肝障害の危険因子を病歴でチェック(特に飲酒歴やウイルス性肝炎の既往)

□肝硬変の身体所見(“stigmata of cirrhosis”)をチェック

□肝硬変でみられる検査所見をチェック(血小板減少,高ビリルビンなど)

□肝硬変の合併症をチェック

頭頸部

頭痛 山本 悌司
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□時々経験する頭痛か,初回の頭痛か,突然の激しい頭痛か.

□バイタルサインに問題はないか(血圧上昇など).

□発熱,髄膜刺激症状はないか.

□神経局在症状があるか.

□眼科的,耳鼻科的疾患を除外できるか.

めまい 船曳 和雄 , 内藤 泰
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□めまい,ふらつき以外の神経症状はないか.

□起立・歩行障害はないか.

□脳血管障害,高血圧,糖尿病,脂質異常症などで治療を受けているか.

□めまいは初発か.

耳鳴り・聴覚障害 松井 隆道
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□急性発症か,慢性の経過か.

□耳痛・耳漏や発熱を伴っているか.

□耳疾患の既往歴や家族歴があるか.

□めまいはないか.

顔面痛 高田 俊彦
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□顔面といっても広い.まずは,痛みの部位をチェックする.

□部位別に鑑別診断を考える.

□原因のはっきりしない顔面痛では,咽喉頭部,食道,肺の悪性腫瘍の可能性も検討する.

視野異常 敷島 敬悟
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□片側性か,両側性か.

□両側性なら垂直経線に一致しているか.

□視野異常のパターンは何か.

眼瞼下垂・眼球運動障害 山田 昌和
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□発症時期を日時まで覚えているか.

□全身的な随伴症状がないか.

□生命予後のうえで緊急性はないか.

□罹病期間,発症の緩急,症状の変動に注意する.

□眼瞼,眼球運動,瞳孔反応,頭位を含めて評価する.

瞳孔異常 加島 陽二
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□両眼性か,片眼性(瞳孔不同)か.

□散瞳か,あるいは縮瞳か.

□頭痛,眼痛はあるか.

□眼疾患治療歴,特に点眼薬の使用歴はあるか.

眼球振盪(眼振) 吉田 正樹
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□発症年齢は?

□動揺視があるか.

□視機能(視力・両眼視)は正常か.

□平衡機能は正常か.

□片眼性か,両眼性か.

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□悪性腫瘍,あるいは前癌病変としての粘膜疾患の可能性はないか.

□全身疾患の部分症状としての口腔粘膜病変の可能性はないか.

□同時に,あるいは前後して発症した口腔外の病変はないか.

舌の異常 大高 道郎
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□舌の色調は? 潰瘍,アフタ,腫脹はあるか.

□硬結を触れないか(癌を見逃さない).

□舌炎は,局所的な原因(薬剤,刺激の強い食事,喫煙,化学物質,咬傷など)によるものか,または全身性疾患に伴うものか.

□薬剤の服用歴,手術歴を確認する.

口渇 林 理生
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□バイタルサインは安定しているか.

□見逃してはいけない疾患(脱水,糖尿病,電解質異常,HIV感染症)はないか.

□口渇の原因となる薬剤を使用していないか.

□自己免疫性疾患を疑う症状はないか.

咽頭痛 岸本 曜 , 大森 孝一
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□咽頭,喉頭に異常はないか.

□開口障害はないか.

□嚥下障害はないか.

□気道は保たれているか.

□バイタルサインに異常はないか.

嚥下困難 横山 秀二
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□バイタルサイン,血中酸素飽和度の問題はないか.

□発症は急激か,緩徐か.

□水分や食物のむせはないか.

□痰の量の増加はないか.

□肺炎はないか.

□食事時間の延長や食事内容の変化はないか.

□体重減少はないか.

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チェックリスト

□いびきは毎夜長期にわたって続いているか.

□いびきのほか,時々呼吸が止まっているとの指摘はないか.

□鼻閉,扁桃肥大,喘息など,覚醒時でも呼吸障害はないか.

□午後に異常な眠気はないか.

□肥満,循環器障害,代謝障害などの合併はないか.

□いびきのほか,手足の不随意運動や寝言に伴って体が動くなどの合併症状はないか.

嗄声 多田 靖宏
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□誘因はあるか.

□基礎疾患はあるか.

□薬剤性の可能性はあるか.

□生活歴として,音声酷使,喫煙歴はあるか.

□音声障害に対しての治療歴はあるか.

□呼吸苦を伴っていないか.

□見逃してはいけない疾患(喉頭癌,反回神経麻痺,痙攣性発声障害,機能性発声障害)の可能性はないか.

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チェックリスト

□運動障害性構音障害か,器質性構音障害か.

□機能性構音障害か.

□見逃してはいけない疾患(運動障害性構音障害,粘膜下口蓋裂など)の可能性はないか.

□炎症,膿瘍の徴候はないか.

□薬剤性の可能性はないか.

□言語聴覚療法の適応はあるか.

甲状腺腫大・結節 安里 亮
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□心悸亢進・発熱・発汗などの甲状腺中毒症状はないか.

□呼吸困難はないか.

□急速な増大はないか.

□局所・全身ともに炎症所見はないか.

□嗄声はないか.

□全身倦怠感・浮腫はないか.

□感冒症状はないか.

胸部

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国家試験に合格したばかりの若手研修医という状況を想像してほしい.緊張感に満ちた初めての当直中,救急隊からの「胸部不快感を訴えている65歳男性です」の電話.さて,その場でまずはどんなことを考えればよいだろうか.

□それは本当に「胸痛」か?

□ショック状態か? バイタルは?

□killer chest painを除外する.

□診断前確率pre-test probabilityが高くなるように情報を集める.

動悸・脈拍異常 今井 靖
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□心悸亢進? 不整脈?

□不整脈としたときにその予後,自覚症状,血行動態への影響は?

□背景となる器質的心疾患があるかどうか?

□貧血,甲状腺機能亢進症,肺疾患など背景となる全身・他臓器疾患があるかどうか?

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□バイタルサインに問題はないか(意識レベル,血圧,脈拍数,SpO2,呼吸数/状態など).

□急性な発症か,慢性的に緩徐に発症か.

□胸痛などの随伴症状はないか.

□喘鳴を伴っているか,呼吸音は聴取できるか.

□異物誤飲などのエピソードはないか.

咳・痰 山岸 亨 , 松瀬 厚人
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□咳嗽の持続期間は,3週間未満,3週間以上8週間未満,8週間以上か.

□喀痰を伴わない乾性咳嗽か,喀痰を伴う湿性咳嗽か.

□1〜2週間以上続いている咳嗽患者に,胸部X線写真を撮影しているか.

喘鳴 尾長谷 靖 , 迎 寛
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□バイタルサインに問題はないか.

□低酸素血症はないか.

□Ⅱ型呼吸不全(換気不全)をきたしていないか.

□心不全をきたしていないか.

□気管支結核ではないか.

喀血・血痰 早田 宏
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□感染対策は十分か.

□バイタルサインに問題はないか.

□口腔内出血,鼻出血,吐血の可能性はないか.

□見逃してはいけない疾患(気管支拡張症,肺結核,肺アスペルギルス症,肺膿瘍,肺癌,血管性病変,肺胞出血,肺梗塞)の可能性はないか.

□抗血小板薬,抗凝固薬の服用はないか.

乳房のしこり 北條 隆 , 向井 博文
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□皮膚所見はないか.

□過去に腫瘤の既往はないか.

□生理の状況はどうか.

□いつから自覚したか.

□急速な増大はないか.

□他の疾患はないか.

□薬剤性の可能性はないか.

□乳房の治療の既往はないか.

胸水 穂積 拓考 , 八重樫 牧人
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□滲出性or漏出性のどちらか.

□滲出性であれば好中球優位かリンパ球優位か.

□感度・特異度が不十分な検査で診断していないか.

□胸膜生検が必要な疾患の可能性はないか.

□治療としてドレナージは必要か.

□薬剤性は除外できているか.

腹部

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□胸やけ以外の症状はないのか.(喉のつかえ感,嚥下困難,胸痛など)

□見逃してはいけない疾患(食道癌,食道アカラシア,膠原病の存在,食道運動障害をきたす疾患)の可能性はないか.

□酸分泌抑制剤は効果あるか.

悪心・嘔吐 内藤 裕二
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□バイタルサインに問題はないか?

□緊急介入を必要とする症状はないか?

□女性の場合には妊娠の可能性はないか?

□腹腔内疾患なのか? 腹腔外疾患なのか?

□精神疾患はないか? 薬物摂取歴は? 代謝性疾患はないか?

吐血 日暮 琢磨
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□バイタルサインに異常はないか(ショックではないか).

□貧血の程度はどの程度か.

□病歴/既往歴/内服薬などの確認.

急性腹痛 今枝 博之
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□バイタルサインに問題ないか.

□緊急手術が必要になる疾患はないか.

□血管病変はないか.

□心疾患はないか.

□産婦人科疾患はないか.

慢性腹痛 永田 博司
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□器質的疾患を疑わせる警告徴候や危険因子はないか.

□腹腔以外の組織に痛みの原因はないか.

□学童期から発症していないか.

下痢 桜庭 彰人 , 久松 理一
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□原因検索の前に,可及的に補正が必要な脱水や電解質異常がないか.

□症状所見から病態生理を推定する.

□経過が急性か,慢性か.

□集団発生している際は,原因が特定できていなくても保健所に相談する.

□全身性疾患に伴う下痢の場合もあるため,消化器以外の症状所見も確認する.

便秘 久保田 英嗣 , 城 卓志
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□患者の訴え,症状は,便秘の定義に合致するものか.

□過敏性腸症候群ではないか.

□器質的な疾患(大腸癌,術後など)の可能性はないか.

□続発性(甲状腺機能低下症,Parkinson病,筋ジストロフィなど)の便秘ではないか.

□薬剤性の可能性はないか.

□腸管の拡張は認めないか.

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チェックリスト

□緊急性のある疾患が隠れていないか.

□腹部膨隆はないか.

□警告徴候(体重減少・再発性嘔吐・出血・嚥下困難・高齢者・腹部腫瘤・発熱)はないか.

□全身性疾患の可能性はないか.

□薬剤性の可能性はないか.

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□腹痛,嘔吐はなくバイタルは安定しているか.

□急性か慢性か.

□全体的な腹部膨隆か,局所的な腹部膨隆か.

□見逃してはいけない疾患(腸閉塞,腸管捻転,腸重積,中毒性巨大結腸症,腹部大動脈瘤解離,付属器(卵巣・卵管)の捻転)の除外.

□6つのFを念頭に診察:肥満(Fat),悪性腫瘍(Fatal tumor),腸内ガス・鼓張(Flatus),腹水(Fluid),宿便(Feces),胎児(Fetus).

□腹水の場合,肝疾患,心疾患,腎疾患,悪性腫瘍や感染はないか.

腹水 池田 隆明
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□バイタルサインに問題はないか.

□発熱,腹膜刺激症状はないか.

□腹水のみか,浮腫を伴うか.

□呼吸困難,チアノーゼ,頸静脈拡張などの心不全症状はないか.

□くも状血管拡張,手掌紅斑,女性化乳房,黄疸などの肝硬変所見はないか.

□腎・婦人科・内分泌疾患はないか.

肝腫大 平野 克治
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□肝腫大はびまん性か限局性か.

□全身性疾患に伴うものか,肝原発のものか.

□胆管の拡張はないか.

□肝内に結節を形成していないか.

□内部エコーは均一か不均一か.

□占拠性病変はないか.

脾腫 矢島 知治
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□感染症の可能性はないか.

□自己免疫性疾患の可能性はないか.

□血液疾患の可能性はないか.

□門脈圧亢進の可能性はないか.

□汎血球減少がないか.

腹部腫瘤 小俣 富美雄
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□バイタルサインに問題はないか?

□常に触知される腫瘤か,あるいは消失することもあるか?

血便(タール便) 鹿野島 健二
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□バイタルサインは安定しているかどうか.

□抗凝固薬やNSAIDsの内服歴があるかどうか.

□薬剤および食餌性の可能性があるかどうか.

□静脈瘤性疾患を疑う所見があるかどうか.

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□バイタルサインに異常はないか.

□性状・量はどうか.

□食事摂取歴・内服歴(抗血小板薬・抗凝固薬,鎮痛薬など)・海外渡航歴はどうか.

□基礎疾患(心疾患・腎疾患・血液疾患など)はあるか.

□随伴症状(腹痛・発熱など)はあるか.

□急性発症か慢性発症か.

血尿 栗原 浩司
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□顕微鏡的血尿か肉眼的血尿かどうか.

□顕微鏡的血尿の場合,糸球体型か非糸球体型かどうか(蛋白尿を伴うかどうか).

□肉眼的血尿の場合,持続的なものか間欠的なものかどうか.

□症候性か無症候性かどうか.

□尿路上皮癌の危険因子(40歳以上の男性・喫煙歴・化学薬品曝露・泌尿器科系疾患の既往・骨盤放射線照射既往歴など)を有するか否か.

乏尿・無尿 藤垣 嘉秀
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□真の乏尿(尿生成の減少)か.

□身体所見で異常(脱水や溢水所見)はないか.

□血液検査で異常(高窒素血症や高K血症)はないか.

□尿検査で異常(尿Na濃度,蛋白尿,尿沈渣異常)はないか.

□腎臓の形態に異常(水腎症,萎縮や腫大)はないか.

□既往歴に血圧低下,腎疾患,腹部手術,薬剤使用はないか.

無月経 桑原 章
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□原発性か,続発性か.

□妊娠の可能性はないか.

□乳汁分泌を伴っていないか.

□薬剤性の可能性はないか.

背部・四肢

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□大多数が非特異的な痛みで,保存療法で改善,消褪してゆく種類のものである.

□鑑別を要する疾患に,椎間板ヘルニア,椎体圧迫骨折,脊椎すべり症,脊柱管狭窄,それと帯状疱疹もある.

□また稀に悪性腫瘍,感染に基づくものがある.ここでは赤沈,CRP検査が有用性を発揮する.

□馬尾症候群が疑われる症例は,緊急の専門医紹介を必要とする.

関節痛 岸本 暢将
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□真の関節痛か.

□炎症性か非炎症性か.

□単関節炎か多関節炎か.

□移動性か付加的か.

□関節炎の分布は.

末梢血行異常 岡井 巌 , 代田 浩之
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□動脈の触知はどうか.

□皮膚の状態はどうか(温度,色調,潰瘍).

□急性の発症か,慢性の経過か.

□どんな時に症状が出現するか,安静時も症状が持続するか.

□見逃してはいけない疾患(急性動脈閉塞,コレステリン塞栓症,重症虚血肢など)はないかどうか.

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□前屈で症状が改善するか.

□腰痛を伴うか.

□動脈拍動の減弱・消失があるか.

□足関節上腕血圧比(ankle brachial pressure index:ABI)は正常か.

□閉塞性動脈硬化症の場合は全身の他動脈に狭窄はないか.

こむらがえり 田中 まゆみ
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□「こむらがえり」という言葉で患者が訴えている症状の確認:

 さまざまな方言もあることに留意.あまりにも日常語なので,最初に丁寧に患者の訴えを確認しておかないと,あとで軌道修正に苦労する(すべての患者の訴えについて言えることだが).そもそも「筋肉の痙攣」なのか否か.「痛み」を伴う筋肉痙攣が典型的「こむらがえり」だが,患者が辛かったり日常生活で不便を感じていたりするのは,何に対してなのか(単なる「突っ張り感」なら,患者の解釈モデルを聞き出す必要がある).身体部位(ふくらはぎが典型的だが,太もも,手や足の指などにもよく起こる),いつ,どんなときに起こるのか.夜間や明け方に突然起こるのが典型的「こむらがえり」だが,昼間や,運動中など,誘発因子が異なる場合は病態も異なる可能性がある.

□頻度や強さ,その変動(進行性かどうか)の確認:

 こむらがえりは非常にありふれた症状なので,医療機関を受診する理由として,頻繁に起こるので痛くて何度も起きねばならず安心してぐっすり眠れない,旅行に行けない,あるいは頻度や強度が悪化してきている,ということが多い.患者の訴えが進行性の場合は,病態の精査が必須である.こむらがえりの原因疾患は多岐にわたるので,進行するものを念頭に,積極的に検査する.なかでも,服薬内容(サプリメントも含め)の確認は重要である(薬剤性こむらがえりの可能性と,そのように薬剤が増えた背景に何らかの疾患の進行がある可能性).逆に,少ない頻度(月1回未満)や軽い症状で医療機関を受診するような場合は,患者がこむらがえりの原因として何を想定して不安に駆られているのか(受診動機)を丁寧に聞き出す必要がある.

神経・精神

感覚障害 中村 友彦 , 勝野 雅央
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□いつから症状があるのか.

□どこがしびれているか.

□時間経過はどうか.

□増悪因子や寛解因子はないか.

□随伴症状はないか.

歩行障害 亀山 隆
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□発症様式と経過は,急性発症か,亜急性発症で進行性か,慢性で緩徐進行性か.

□起立や姿勢の異常はないか.

□ほかの随伴する症候(感覚障害,構音障害,めまい,運動失調,関節痛など)はないか.

□薬剤の影響はないか.

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□筋力低下により,呼吸不全や嚥下障害を呈していないか.

□脳梗塞,脊髄圧迫など重篤な神経疾患による筋脱力を直ちに除外する.

□筋症状の出現の時間経過はどうか(急性,亜急性,慢性).

□筋症状の分布はどうか.

□感覚症状の合併はないか.

□筋症状を呈する全身疾患はないか.

□疑わしい薬剤(特にスタチン製剤)の内服や中毒の可能性はないか.

筋緊張異常 小島 重幸
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□静止時の筋緊張異常は亢進か,減退(低下)か.

□静止時の筋緊張亢進は痙縮(spasticity)か,筋強剛(rigidity)か.

□痙縮または筋強剛は片側性か,両側性か(左右差の有無),両下肢か.

□上位運動ニューロン徴候(運動麻痺,腱反射の亢進,Babinski徴候)の有無,下位運動ニューロン徴候(腱反射の減弱・消失,筋萎縮,線維束性収縮など)の有無,錐体外路徴候(静止時振戦,動作緩慢,姿勢反射障害)の有無.

運動麻痺 阿久津 二夫
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□問診で発症様式と進行の有無を確認する.

□診察では顔面の麻痺や軽い手足の麻痺の有無に注意して分布を判断する.

□運動麻痺の責任病巣が中枢性か末梢性かを判断し検査を進める.

□t-PA治療や呼吸管理が必要など,緊急性を要するものかを判断する.

運動失調 城倉 健
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□協調運動障害と平衡障害に分けて考えてみる.

□協調運動障害はどこに目立つのかを考えてみる(上下肢,一側性,両側性,構音障害).

□平衡障害は視覚の補正が効くかどうかを調べてみる(開眼,閉眼).

□深部感覚を調べてみる(関節位置覚,振動覚).

□可能であれば前庭機能を調べてみる(カロリック試験,人形の目反射).

不随意運動 柴山 秀博 , 福武 敏夫
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□不随意運動というからには,意識が(ほぼ)清明であること.

□不随意運動というと,通常,動きの過剰のみが問題にされるが,逆に動きの過少はないか.

□動きの過剰の場合,どこがどういうふうに動いているのか,誘発や増悪・軽減の要因はあるか.睡眠時に同様な動きはみられるか.

□見慣れない不随意運動をみたら,まず薬剤誘発性のものを除外すること.

構音障害(運動障害性) 成田 有吾
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□ろれつがまわりにくい→構音障害を疑う.

□意識障害の有無.

□日内変動など,症状の変化の有無.

□脳幹より上位か,それとも脳幹を含む下位の症状か.

□ほかにどのような症状を伴っているか.

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□バイタルサインに問題はないか.

□症状の出現が急速か,緩徐進行性か.

□見逃してはいけない疾患(①脳梗塞,②脳出血,③静脈洞血栓症,④頭蓋内血管攣縮疾患,⑤細菌性髄膜脳炎,⑥脳膿瘍,⑦低血糖,⑧てんかんおよび類似病態)の可能性はないか.

□意識障害,運動麻痺,半側空間無視,痙攣,心房細動,頸部血管雑音などはないか.

□副腎機能,甲状腺機能など内分泌・電解質代謝障害はないか.

□薬剤性の可能性はないか.

認知症・認知障害 宇高 不可思
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本当に認知症なのか,あるいは,以下のような認知症に似て非なる状態なのかを確認する.

□加齢に伴う物忘れ(表2)

□せん妄(表3)

□抑うつ状態(うつ病性偽性認知症)(表4)

□てんかん性健忘(表5)

せん妄 大生 定義
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□発症前の患者のレベル(脳の脆弱性)はどの程度なのか.

□新たな疾患や病態が加わっていないか.

□薬物や常用嗜好品(アルコールなど)の使用あるいは離脱はないか.

□患者にとって乗り切れないストレスや環境の変化がないか.

(基本的に高齢者では,入院に際して,あらゆる疾患や苦痛・環境の変化がせん妄を生じうる.「何か変」の原因が特定されるまで,せん妄は除外できない!)

知能障害 小長谷 正明
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□全身状態に異常はないか.

□神経症状を伴っているか.

□病歴・家族歴はどうか.

睡眠障害 松井 健太郎 , 井上 雄一
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□睡眠の質的・量的な問題(不眠・過眠症状)があるか.

□睡眠中の異常現象(いびき・無呼吸,四肢の異常運動,寝言や夜間の徘徊など)があるか.

□不適切な生活習慣,睡眠習慣がないか.

□身体疾患との関連はないか.

□薬剤の影響はないか.

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基本情報

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medicina
53巻4号 (2016年4月)
電子版ISSN:1882-1189 印刷版ISSN:0025-7699 医学書院

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