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特集 光遺伝学の基礎と臨床の最前線
光によるがん治療を目指した光依存的な細胞死誘導技術の開発
Development of a light-induced cell death method for optogenetic cancer therapy
須藤 雄気
1
Yuki SUDO
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬学系)
キーワード:
ロドプシン
,
アポトーシス
,
プロトンポンプ
,
光遺伝学
Keyword:
ロドプシン
,
アポトーシス
,
プロトンポンプ
,
光遺伝学
pp.222-228
発行日 2026年4月18日
Published Date 2026/4/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu297030222
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ヒトは,光,温度,圧力などの物理パラメータとその変化に曝されている.このようなパラメータのひとつであるpHは,水素イオン(H+;プロトン)濃度の指標であり,一般にヒトの体液中では7.4程度に保たれている.この値の重要性は,わずか0.05の変化によりアシドーシスをはじめとした病態へとつながることからも理解できる.筆者らは,光エネルギーによりH+を細胞内外に移動させる膜タンパク質ロドプシンを用いて,pHの光制御を介した生体恒常性の操作を着想した.実際に,細胞内から細胞外への外向きH+ポンプロドプシン(アーキロドプシン3;AR3)を哺乳類細胞に導入すると,光照射により細胞内のpHが8.5程度まで上昇し,それに伴い細胞死(アポトーシス)が引き起こされることがわかった.さらに,AR3を発現させたがん細胞をマウス個体に移植したところ,そのがん腫瘍の成長が光により大幅に遅延または寛解することがわかった.本稿では,光がん治療につながる本手法の概要と将来展望について紹介したい.

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