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特集 光遺伝学の基礎と臨床の最前線
光遺伝学より明らかになってきた海馬における社会性記憶の神経メカニズム
Neural mechanisms of hippocampal social memory revealed by optogenetics
田尾 賢太郎
1
,
度会 晃行
1
,
奥山 輝大
1
Kentaro TAO
1
,
Akiyuki WATARAI
1
,
Teruhiro OKUYAMA
1
1東京大学定量生命科学研究所行動神経科学研究分野
キーワード:
社会性記憶
,
海馬腹側CA1(vCA1)
,
海馬背側CA2(dCA2)
,
最初期遺伝子
Keyword:
社会性記憶
,
海馬腹側CA1(vCA1)
,
海馬背側CA2(dCA2)
,
最初期遺伝子
pp.229-233
発行日 2026年4月18日
Published Date 2026/4/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu297030229
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他者についての記憶,すなわち “社会性記憶” はわれわれの社会的相互作用を支える重要な基盤である.近年,光遺伝学ツールを用いた神経活動操作により,マウスを代表的なモデル動物として,脳領域のひとつである海馬における神経回路や神経細胞集団が,社会性記憶の情報処理に果たす因果的役割が明らかになってきた.海馬のなかでも,腹側CA1(vCA1)領域と背側CA2(dCA2)領域は社会性記憶の形成と想起に深く関与している.筆者らは,神経活動依存的な細胞標識と光遺伝学的な神経活動操作を組み合わせて,vCA1の神経細胞集団が社会性記憶における他者の性別情報を符号化していることを明らかにした.これらの知見は,他者の情報が脳内でどのように処理され,行動に結びつくのかを理解する手がかりを与えるものである.今後,光遺伝学ツールおよび関連技術のさらなる発展を通じて,社会性記憶の回路動態とその機能的意義に対する理解が一層深化することが期待される.

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