連載 こころのフューチャー・デザイン―「未来人」からみた現代の精神医学
行動経済学実験でこころのミクログリア仮説を証明する?
加藤 隆弘
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1九州大学大学院医学研究院精神病態医学
pp.98-104
発行日 2025年2月5日
Published Date 2025/2/5
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はじめに
「フューチャー・デザイン(Future Design)」とは,持続可能な社会を創出するために,存在しない将来世代に代わって「仮想将来世代」の未来人を現世代(いま・ここ)に導入し,新たな社会を創造する枠組みのことです。連載では,フューチャー・デザインを導入し,現代の精神医学における諸問題・課題について読者のみなさんと考える場を提供しています。フューチャー・デザインを精神医学・精神医療の世界に取り入れることで,七世代先の将来世代のための精神医学・精神医療をいまから築いてゆけるはずです。前回は,「今を疑う」というフューチャー・デザインの逆説的思考法を,筆者がライフワークとして取り組んでいる脳内免疫細胞ミクログリアとフロイトの「死の欲動」に着目して紹介しました。今回および次回は,その続編として,理不尽で貪欲な無意識的欲動のミクログリア仮説を証明するための萌芽的な行動経済学的実験を紹介し,タイムマシーンに乗って,ミクログリアを制御できるようになった未来の世界に読者を誘います。
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