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I.はじめに
del Rio-Hortegaによれば,ミクログリアは他のグリァとは異なって間葉系の細胞であり,脳障害にさいしてはマクロファージやrod cellとなって脳における網内系の役割を果たしているとされている3)。この考えは若干の修正が加えられながらも現在なお広く信じられているようである。しかし近年になって脳のマクロファージが血液単球に由来することが証明された12,21)ため,その母細胞と考えられていたミクログリアの本態について検討を加える必要が生じており,多数の議論が行なわれるようになった7,14,19,30)。たとえばその発生については,オルテガの主張したように脳軟膜や脈絡叢のmesoblastに由来するという考えは否定されたものの,これに代わって周産期に単球が血管壁を越えて侵入してきたものとする考え8,25),つまり,やはり間葉系の細胞であるとする主張が行なわれているが,他方,マトリックス細胞→グリオブラスト由来の神経外胚薬性の細胞であるとする考えも提出されている6)。また,その機能については,ミクログリアの胞体内に大きなdense bodyが見出されることから,なお貪食能がありマクロファージになるという主張40)があるほか,神経細胞とグリアの間の物質代謝に関係があるとする考えもある23,29)。
According to del Rio-Hortega, microglia were cells of mesenchymal origin, which entered brain parenchyma at the perinatal period. They were thought to become macrophages or "rod cells" in altered conditions. Therefore, microglia were regarded as cells of reticuloendothelial system in the brain. This concept, built by silver-impregnated figures, had been supported by many neuropathologists. However, recently, it has been suggested that brain macrophages are derived from circulating mononuclear leukocytes, and now, the nature of the microglia becomes an issue.
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