連載 こころのフューチャー・デザイン―「未来人」からみた現代の精神医学
行動経済学実験でこころのミクログリア仮説を証明する?―こころを喪失した未来の無機質人間になって不合理な現代社会を展望する(Ⅱ)
加藤 隆弘
1
1九州大学大学院医学研究院精神病態医学
pp.236-241
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt51020236
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はじめに
本連載では,フューチャー・デザインを精神医学に導入し,現代の精神医学・精神医療における諸問題・課題について読者の皆さんと考える場を提供しています。前回は,筆者(私)が精神分析臨床と精神免疫学の研究を始めたばかりの若かりし頃に作った「自殺など非合理的な意思決定を引き起こす人間の精神病理現象には,フロイトが提唱した無意識的欲動つまり「死の欲動」が関与しており,脳内免疫細胞ミクログリアがこのプロセスを生物学的に司っているかもしれない」という萌芽的な仮説を紹介し,この仮説を創出するに至らしめた信頼ゲーム注)と呼ばれる行動経済学実験を紹介し,架空の新聞記事を掲載しました。今号では,読者の皆さんと2125年フューチャー・デザイン体験会を開催します。

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