特集 神経免疫:多発性硬化症、脳虚血、アルツハイマー病、精神疾患における炎症反応と免疫異常
精神疾患における脳内炎症免疫機構の意義 統合失調症のミクログリア仮説
加藤 隆弘
1
,
門司 晃
,
神庭 重信
1九州大学 大学院医学研究院精神病態医学分野
キーワード:
Superoxides
,
抗精神病剤
,
抗うつ剤
,
小児の発達
,
精神障害
,
統合失調症
,
電子スピン共鳴
,
免疫系
,
神経保護物質
,
ミクログリア
,
Aripiprazole
Keyword:
Aripiprazole
,
Mental Disorders
,
Antidepressive Agents
,
Child Development
,
Electron Spin Resonance Spectroscopy
,
Immune System
,
Superoxides
,
Schizophrenia
,
Antipsychotic Agents
,
Microglia
,
Neuroprotective Agents
pp.1046-1053
発行日 2011年9月22日
Published Date 2011/9/22
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代表的精神疾患である統合失調症では,1950年代クロルプロマジン・ハロペリドールに抗精神病作用が偶然にも発見され,これらの薬剤が神経のドパミンD2受容体拮抗作用を有することから,ドパミン仮説が提唱されて久しい.しかし,統合失調症の病態治療機序は依然として解明されていない.筆者らは,培養ミクログリア細胞を用いたin vitro 実験によって,神経・シナプス系にばかり作用すると長年信じられてきた抗精神病薬や抗うつ薬に,脳内免疫細胞ミクログリアへの直接的な活性化抑制作用があることを報告してきた.こうした作用を手掛かりに,現在筆者らはミクログリア活性化とその制御を介した精神疾患の病態治療仮説を提唱しているので,本稿で紹介する.
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